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スマートグリッドの進化系「電気銀行」構想

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日経産業新聞(2010.1.7)の記事によると、電気自動車(EV)の利用、家庭では家電製品などの電力消費と太陽光発電などによる発電、これらの電気の出入をICカードで管理し、月末にまとめて精算できる「電気銀行」の構想について、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が準備を進めています。

家庭の太陽光で発電した電力を「電気マネー」としてポイントをため、EVの充電スタンドでは、「電気マネー」がはいったICカードを使い、充電のたびに電気代を払わなくてもも済むようになるのです。早ければ、2010年内にも100戸以上の家庭を対象に、実験を開始する予定です。

これまで電力会社は、電力を提供するというのが主な役割でしたが、今後は様々な事業者が参入し、売電、買電といったように電力の出入、流通する仕組みの「電気マネー」、そしてそれらを管理する「電気銀行」のような管理する機能が必要となってくるでしょう。このNEDOがすすめる「電気銀行」構想は、スマートグリッドの進化系であるとしています。

この「電気銀行」構想が、全国規模で普及する場合、データセンターは1,000台規模のサーバーが必要になる見通しであるとし、コストは従来型システムと比べて10分の1程度で済むということです。まさに、スマートグリッドの本格普及においては、「電力版クラウド」の環境を構築することが必要不可欠となるでしょう。

「電気銀行」そして、「電力版クラウド」の環境が整備されることになれば、電力エネルギーは効率利用され、電気の流通により様々なビジネスチャンスが生まれるでしょう。インターネットでのeコマースが普及したように、EVとの連携することによりそれ以上の市場の可能性をもっていると言えるのかもしれません。

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