オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウド時代の到来は企業の情報システムの本来あるべき姿を再考する好機である

»

ここ数週間、クラウドコンピューティグ関連のパネルディスカッションにいくつか参加させていただいています。その中のテーマで議論が白熱するのが、クラウドコンピューティング導入の課題についてです。

クラウド導入のメリットばかりが強調されるケースが多く、クラウドコンピューティングを導入することが目的になってしまい、課題の整理がおろそかになってしまうケースが見受けられるような気がしています。

企業の経営の見える化やコスト削減といった自社のあるべき姿や目的を整理して、クラウドをどのように活用していくのかといった議論をもう少し踏み込んでしていく必要があるのかもしれません。

IT Leaders 12月号にガートナーのバイスプレジデント 兼 最上級アナリストの亦賀忠明氏の「あるべき論を再考する好機 IT部門の真価が問われる」という記事をがあり、印象に残ったキーワードがいくつかあったので少し引用をさせていただきます。

IT戦略に携わる人が今、強く認識すべきは、クラウド時代の到来が企業情報システムの本来あるべき姿を再考する好機であるというこだ。(中略)自社はどんなビジネスで勝負するのか。それを支えるには、どんなデータがどんなタイミングで流れないといけないのか。そのための、もっとも効率的なITインフラや環境は何なのか-。しっかりとしたデザインがなければ、全体として機能しない。至極当たり前のことなのだが、それができている企業は残念ながら少数派である。

また、現在のベンダーやインテグレーターがクラウドはなんでも解決するかのように、表現をしているところに問題点を指摘しています。

企業向けクラウドに関するテクノロジーとサービスは発展途上である。よって、ベンダーやインテグレーターは、クラウドが完成されたものであるという誤解を招く表現は止めるべきである。逆に言えば、であるからこそ、クラウドに関する中長期の展望を語る準備を行うべきである。単に新たな商材としてクラウドを展開するなら、早晩、ユーザがそうしたクラウドに幻滅することは間違いない。

今後、企業はクラウドをバズワード的な存在から、クラウドの本質を見極め、中長期的な視点も含めて、導入や運用を考えていく時期にきているといえるでしょう。景気が低迷している時期だからこそ、新たな成長に備え、あるべき姿を考え、備えをしていくことが重要になっているのかもしれません。

Comment(0)