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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドの標準化やガイドライン作成の動きについて

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クラウドコンピューティングが普及していくと、各々の異なる仕様でサービスが提供されるようになれば、ユーザ側にとって不便であり、市場の成長を大きく阻害することになるでしょう。そのため、クラウドコンピューティング関連の団体などを創設し、標準化やガイドライン作成等を進める動きが活発化しています。

その団体は標準化の動きを整理してみたいと思います。まず世界的な動きを整理してみたいと思います。

Open Cloud Manifesto
3月30日、IBM、Sun Microsystems、SAPなどクラウドコンピューティングのサービスを提供している事業者が、クラウドコンピューティングの選択の自由や柔軟性オープン性を確立するための原則をまとめた「Open Cloud Manifesto 」を発表しています。

Cloud Security Alliance(CSA)
3月31日、eBay、ING等のユーザ企業とセキュリティベンダーは、Cloud Security Alliance(CSA) を結成し、セキュリティに関するベスト・プラクティスの普及を展開を行うことを明らかにしています。

Open Cloud Consortium(OCC)
1月7日、CisicoやYahoo、イリノイ大学シカゴ校等は、運営母体の異なるクラウド・サービスをシームレスに結び付ける標準インタフェースの確立のための標準団体であるOpen Cloud Consortium(OCC) を結成したことを明らかにしています。

ITU-T
ITU-Tはクラウドコンピューティング等の普及に伴い、「Distributed Computing: Utilities, Grids &Clouds 」というレポート標準化を検討していくことが重要であるという見解を示しています。


国内の動きはどうでしょうか?

日本OSS推進フォーラム
オープンソース・ソフトウエア普及推進団体の「日本OSS推進フォーラム」は、4月1日、ステアリングコミッティー の中に、「クラウド戦略検討チーム」を新設し、クラウド・コンピューティングの推進に向けた取り組み始めることを明らかにしています。本事務局を務めるの は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)です。政府もクラウドへの取組みを始めており、本団体でも関係を検討していくようです。

ASP・SaaS データセンター促進協議会
特定非営利活動法人 ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアムのASPICは、2月26日、「ASP・SaaS データセンター促進協議会 」を設立することを公表し、本活動の中において、「クラウドコンピューティング利用ガイド」の検討を進めることを明らかにしています。

様々な団体や企業がそれぞれの立場にたって、クラウドコンピューティングの標準化やガイドライン作成の動きを進めています。しばらくは、ユーザ側にとっても 提供者側にとっても混乱するかもしれませんが、このように、大きな枠組みでクラウドコンピューティングの標準化の動きが進んでいるということは、曖昧な キーワードであるということもありますが、それだけ大きな期待があるということがあるのではないかと感じています。

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