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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

シンクライアント使っています

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片貝さんの「シンクライアントは死んだ」を大変興味深く読ませていただきました。

実際、私の場合は、会社では通常のパソコンを利用し、外出時はシンクライアントを持ち出しています。会社も持ち出し用も同じメーカーの型番の端末なのですが、普通のパソコンでも結構簡単にシンクライアント化できるようです。 

シンクライアントを利用している立場から自分なりの感想を述べさせていただきます。シンクライアントを利用していて感じるデメリットは、回線環境が非常に悪いところであれば、全く使い物になりません。HSDPAの速度であれば、なんとか我慢できる範囲ですが、快適ではありません。HOTSPOTが利用できるところであれば、まあ寛容できる範囲で大丈夫です。そのため、よく行く場所では、どこにHOTSPOTが利用できる場所があるか覚えています。

今後モバイルWiMAXや次世代PHSそしてLTE(スーパー3G)などのモバイルの高速化が進むようになれば、回線のスピードが遅いという問題は次第に解決されていくのではないかと考えています。自宅は光ファイバーなので問題なく、普通のパソコンと同じような感覚で利用することができます。結構快適です。特に勤務地まで2時間弱かかる私にとっては、シンクライアントが家にあるというだけでかなりの安心感があります。 

クラウドコンピューティングという言葉に代表されるようにサーバーの仮想化技術とストレージの低価格化などが進み、センター側でかなり効率的に運用できるようになりました。モバイルブロードバンドが進めば、数年後にはもう少しシンクライアントの普及が進むのではないかと感じています。特に、デスクトップ側の管理が大変なので、サーバー側で一括管理して運用管理コストを削減するという方向に進んでいくのではないかと感じています。

通常のパソコンですが、暗号化をかけ、どれだけセキュリティを強化したとしても、パソコンを紛失や盗難にあった場合は、セキュリティインシデントとして報告しなければなりません。場合によっては、監督官庁に報告しなければならない場合もあります。暗号化はどれだけ技術が進歩したとしても、100%破られないという保障がないからです。 

ですので、特に日本の大手企業においては、通常のパソコンの持ち出しの制約は厳しいのではないかと思われます。よって、外出時にシンクライアントを使おうという選択肢は増えてくると思われます。ただ、企業においてすべてそうではなく、コンサル会社など、セキュリティを強化したパソコンを積極的に持ち出しを推奨いつでもどこからでも業務ができるようにし、生産性を向上させているといったケースも耳にします。自己の責任や成果が強く求められている企業は、比較的通常のパソコンを積極的に持ち出しているのではないかというのが個人的な感覚です。

個人的には通常のパソコンのほうがもちろん好きなのですが、企業に勤めている限りは、職場で利用する端末は残念ながら選ぶことはできません。企業の文化や取り巻く環境などによって、シンクライアントの是非は分かれるところかと思われます。


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