学校における教育の情報化の実態等について
世界と比べて教育分野の情報化が遅れていると指摘されている日本。文部科学省は9月26日、「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(平成19年度)」を公表しました。
主な調査項目は以下のとおりです。
- コンピュータ整備の実態等(Excel:101KB)
- (1)コンピュータの設置状況等
- (2)教育用コンピュータの設置場所別台数
- (3)教育用コンピュータのOS別台数
- (4)教育用コンピュータの設置方法別台数
- (5)コンピュータの周辺機器台数
- (6)個人所有のコンピュータについて
- (7)研修の受講状況
- インターネットへの接続状況等(Excel:70KB)
- (1)接続回線種別
- (2)接続回線速度別
- (3)接続先(プロバイダ)
- (4)ホームページ(Webページ)等の開設状況
- (5)電子メールアドレスの付与状況
- (6)有害情報への対応方法
- (7)情報セキュリティポリシーの策定・運用の状況
- 教員のICT活用指導力の状況(Excel:56KB)
(合計、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)
教育のICT化
教育用コンピュータの整備は1台あたり7.0人(昨年度は1台あたり7.3人、一昨年度は1台あたり7.7人)で、昨年度並みの伸び率で推移しています。
小学校においては、インターネットに接続している教室数は、コンピューター教室は89.9パーセントですが、普通教室は42.8パーセントとまだまだ高い数値とは言えません。
超高速インターネット(30Mbps(メガビットパーセカンド)以上)の接続率は51.8パーセントとなっており、昨年度(35.0パーセント)と比べ16.8パーセントの大幅に増加しています。学校のブロードバンド化も進みつつあるようです。
校務のICT化
教員の校務用コンピュータの整備は、57.8パーセントで対前年度比14.8パーセントの大幅増となっています。校務システムがIT化すれば、教員の業務の効率性が高まり、より子どもたちの指導に時間を割くことができるのではないでしょうか。
教員のICT活用指導力
「A:教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力」、「B:授業中にICTを活用して指導する能力」、「C:児童生徒のICT活用を指導する能力」はいずれも昨年度と比べて数パーセント伸びています。しかし、まだ比率は6割~7割。まだ3割前後の教師がICTをあまり活用できない状況です。
日本の国際ICT競争力の低迷が指摘されています。日本が世界を代表するICT先進国になるには、教育分野におけてICTの基礎的なスキルや情報モラル後力を身につけさせていかなければならないでしょう。学生が将来のなりたい職業の一つに「IT業界」の名前があがるような、そんな魅力のある環境ができると良いのではないかと感じています。