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子どもに携帯電話をもたせるべきなのか?

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私には小学1年生の子どもがいます。いつのタイミングで携帯電話をもたせるのか、もしくはしばらく持たせないのか少し頭を悩ませることになりそうです。

 

充実する子ども向けケータイ

1210日、NTTドコモが新キッズケータイ「F801i」を発表しました。前回のキッズケータイのSA800iから20ヶ月ぶりとなる2作目です。子ども向けケータイは、各社も力をいれており、auは「ジュニアケータイ」、ソフトバンクモバイルは「コドモバイル」、ウィルコムは「キッズ ケータイ」というシリーズを出してきています。

 

子ども向けの携帯コンテンツが今後次々と登場する

子ども向けの携帯サイトも登場してきています。123日、ヤフーは「ヤフー!きっず」の携帯版サービスを開始しました。ミニゲームや昆虫・動物などの図鑑、占いなどのコンテンツを提供しています(ITmedia 関連記事)。

 

子どもの携帯サイトへの規制の動き

一方、規制強化の動きも見られます。総務省は1210日、未成年者を対象に、携帯電話の有害サイト閲覧を制限するフィルタリングサービスに原則加入させるよう、携帯電話会社各社に要請しました(務省 発表資料参照)。

 

少し気になるところが、国内初の子ども向けSNSPC版)の「ヤフー!きっずポケモン」が月間利用者数も100万人を超えていますが、携帯電話のフィルタリングサービスの原則加入という動きは、ブログやSNSの利用にも一部制限がかかると推測されます。

 

学校裏サイトの怖さ

さらに、現在問題になっているのが「学校裏サイト」です。親も知らないところで、誹謗中傷がされており、子どもにとっても心理面で大きな影響を与えています。子どもにうつ病が増えている理由として、携帯電話やインターネットが普及し、良い情報だけでなくネガティブな情報等に触れる機会が増えてきているからと考えることもできます。

 

 
携帯電話を使う小学生は学力が高い?

1213日、東京都教育委員会は「平成19年度 全国学力・学習状況調査の結果について」を発表しました。小学生においては、携帯電話をもっていない人に比べて、携帯電話の通話やメールを利用している児童が国語、数学において数パーセント正答率が上回っていることがわかりました。教育委員会のコメントの中に、塾通いのため携帯電話をもたせているから、正答率が高いのではないかというコメントもありましたが、すべての人が塾に通っているわけではないので、少なからず携帯電話を使いこなす力は学力に影響を与えているのかもしれません。(中学生は逆の結果がでていますが・・)

 

携帯のネットに依存する10

1216日、内閣府は「情報化社会と青少年に関する意識調査」を発表しました。携帯電話を使っている人のうち、電子メールや情報サイトなどインターネットの1日平均の利用時間は中学生で1時間15分、高校生では1時間48分に上っています。小学校46年生は26分となっています。小学生の携帯利用時間は、それほど多くなく、学力への影響も問題ないようですが、中高生の1日の利用時間は、先ほどの東京都教育委員会の結果を見ても学力の低下への影響を与えているのかもしれません。

 

子どもの防犯の観点から

子どもに携帯をもたせるというのは、子どもの防犯対策のためと答える保護者も多いでしょう。昨今多発する子ども向け犯罪を考えると、子どもの居場所を確認したいというニーズはさらに高まっていくでしょう。総務省が、330日「地域児童見守りシステムモデル事業に係る提案の採択」を発表し、今年の10月から12月にかけてGPS携帯や電子タグを使った子どもを見守る仕組みの実証事業が行われ、国レベルでの携帯電話で子どもを守る仕組みの検討が始まっています。

 

では子どもに携帯電話をもたせるべきなのか?

以上様々なケースで子どもに携帯電話を持たせる目的やメリット、そして携帯電話を持たせることのリスク等を考えてみました。まだまだ携帯電話を使うことは賛否両論ですが、個人的な視点ですが、技術の進展や制度の改正により、最終的には子どもたちはさらに携帯電話を積極的に使うという方向に時代の流れが動いていくのではないかと考えています。携帯電話事業者は将来の末永い顧客である子ども向けケータイのマーケットにさらに足を踏み込んでくるでしょう。時代の流れはなかなか止められません。

 
携帯電話を持たせることを前提に、子どもたちが安全に使いメリットになるような仕組みを子どもと家族で会話をしながら、情報モラルについても子どもたちに教え、安全安心な子どもたちのケータイライフを考えていくことが今の時代はさらに必要になってきているのかもしれません。

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