ザックは本気で世界をオープンでつながったものにしたいらしい(その2)
上のタイトルは、2013年7月に書いたブログのものです。2年経っても全くぶれていません。本人が事あるごとに「世界をよりオープンで接続されたものにするんだ」と言い続けているので驚くことでもないんですが、Fast Companyの長い長い長い記事を読んで、さらに確認しました。
この記事は、ジャーナリストのハリー・マクラッケン氏が、マーク・ザッカーバーグCEOだけでなく、Facebookの主要事業の複数のキーパーソンにインタビューしてまとめたものです。
2年前と違うのは、InstagramやOculus VRなど、買収した企業(のCEOたち)とすごくいい関係を保って成長しているところです。
記事の最初の方で、「昔みたいに毎日コードを書いてはいないんですか?」と聞かれたザックは、「ワールドクラスのニュースフィードとワールドクラスのメッセージング製品とワールドクラスの検索製品とワールドクラスの広告システムを構築し、VR(仮想現実)を創作し、ドローンを開発していたら、コードを書くことなんてできないよ」と答えています。
ザックが並べた事業が、現在彼(Facebook)が最も注力している分野です。ニュースフィードや広告はともかく、VRとドローンは、なんだか「なんでFacebookが?」という感じですが、「世界をつなげる」という大望成就が目標だというところからみれば一貫しています。
ドローンは"残りの43億人"に安価なインターネット接続環境を提供するプロジェクトInternet.orgの一環です。
VRは、ザックがモバイルの次のコミュニケーションプラットフォームになると踏んでいる技術です(ザックは「VRおよびAR(拡張現実)」と言ったりします)。VR/ARであれば、モバイルよりもっと普通の会話に近い感じで遠距離の人たちとコミュニケーションできるので、世界をつなげる一助になります。
すべての主要事業が「世界の人々をつなげる」という方向を指しています。そして、実現のために一流の企業を買収しています。
そういえば上記の主要事業一覧に人工知能が入っていませんが、これはFacebookのあらゆる事業にわたって必要な技術だからでしょう。AIでも一流の人材を口説き落として取り込んでいます。
ザックはAIの基本能力(視覚、聴覚、言語能力、認知能力)を5~10年中に人間以上にするのが目標の1つだと語っています。
ザックが当初、世界をつなげると言い出したころ、「そんなこと言ったって女子人気投票アプリとかつくってた人がねぇ」などと本気度を測りかねていましたが、どうも、目標は本物だし、それに向かうための意気込みも、気が遠くなるほどの目標を持ち続ける根気強さも本物のようです。
社会貢献事業への注力も偽善とも見えません。古くは臓器ステータス機能から今日発表された非営利団体向け募金キャンペーンツールまで、これらもやはり「世界をつなげる」という目標につながっています。
ちなみに、ずいぶんと波紋を呼んだプロフィール写真のトリコロール化も、社会貢献の1つでしょう。Facebookのモットーの1つは「完璧を目指すよりはまず終わらせよう(Done is better than perfect)」なので、批判されてもめげません。実際、これによってパリ以外のテロについて初めて思いを馳せた人が多いかもしれず、何もしないよりずっと良かったでしょう。そして、ナイジェリアでもSafety Checkを提供するなど、すぐにリカバリーしています。
いやはや、ザッカーバーグはどんどん進化しています。もうすぐ娘が生まれるんですが、それがどういう影響を与えるのか、それも楽しみです。