便利に慣れるとハシゴが外れたときがこわい
普通預金から毎月定額を定期預金に移すことで積立貯金ができるサービス、たいていの銀行にはありますが、実際にやってる人、どのくらいいますか?
私はやっていません。だって普通預金がゼロに近くなったときにストップするのがめんどくさそうだから。
そんな怠け者でもこつこつお金が貯まるサービス「Digit」が米国で始まりました、という記事を書きました。まだ日本では使えませんが、ちょっといいなと思ったのでご紹介しました。
何が便利って、考えなくていいところです。
Digitが、自分の代わりに口座の入出金をチェックしていて、「あ、残金少なくなってきたから今日は5ドルだけ貯金」とか、お給料振り込まれてしばらくたつけどまだあんまり引き落とししていないから50ドル貯金しよう」とか、こまめに調整してくれるのです。これで気がついたら600ドル貯まっちゃった、という感じ。
このサービスに限らず、ユーザーのアクティビティから機械学習でいろいろ予測してユーザーの代わりに考えてくれるサービスがだんだん増えてきました。
機械学習じゃないかもしれないけど、ニュースのキュレーションメディアとかも、自分で探さなくても、好みに合った記事を並べてくれます。
便利ですよね。
でも、こういうのに慣れてしまうと、自分で考えたり選んだりする能力が退化しそうです。
他にやるべき大義がある人はいいんですよ。ジョブズやザッカーバーグがいつも同じ服を着ているのは、やりたいこと以外になるべく頭を使わないためだそうです。
でも、ただでさえ頭を使わない普通の人が、日常生活に必要な判断を人(機械)任せにしておくと、脳がつるっつるになるだけな気がする。
少なくともGoogle様のお陰で記憶力は激落ちした気がします(そろそろ老化、かもしれないけど)。今も、結構好きなはずの「流星ワゴン」の主役男優の名前が出てこなくてぐぐるのをぐっと我慢しているとこ。
まあ、死ぬまで機械任せにしておけるならいいんですが、停電になったとたんに自分で判断しなくちゃならなくなるわけで、機械に支配されるのが怖いという前に、頼りきった後機械が使えなくなることの方が怖いです。