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ナデラさんの「Karma(カルマ)」発言、日本でならあんなに炎上しなかったかも

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米国の女性技術者支援団体の年次カンファレンスにゲストとして登壇したMicrosoftのサティア・ナデラCEOが、「女性は昇給について主張すべきではない」と言ったと受け取られ、謝罪した話を記事にしました(経緯は記事を見てください)。

でも、実際に録画したものを見てみると、これはジェンダー問題というより文化の違いが招いた誤解ではないかと思いました。

ナデラさんは多分、男性であれ女性であれ、やるべき仕事をちゃんとやっていれば、誰かがちゃんと見ていて、いずれは正しく評価されるはずだから、給料に不平を言うよりも努力するべきだ、と言いたかったんだと思う。

インドの地方都市出身の彼自身は、たぶんそうやってずっと努力して今の地位を獲得したんでしょう。

良い行いをしていれば、それがいずれは自分に返ってくるという、カルマ思想です。

ちょっと問題なのは、ナデラさんがつまりは「昇給を求めること」が良い行いではない、と思っているフシがある点です。

日本人である私はサラリーマン時代、給料上げろとは言えなかったし、それはあまり良い行いじゃないとやっぱり思っていた気がします。男性の同僚もそうだったと思います。

でも、ナデラさんの発言を攻撃する数々のツイートを見るにつけ、西洋では男性はがんがん昇給を要求し、女性は躊躇しがち、なようです。

なので、ナデラさんが「女性はおとなしくやるべき仕事をやってりゃいいんだよ」と言ったように感じたのかも。

「リーン・イン」しろ、という話よりナデラさんにずっとシンパシーを感じるのは私が日本人だからかなぁ。

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