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海外記事、ブログ、記事にならない情報について、ITmedia エンタープライズ海外記事担当から一言

ドリアンさんが本物のサトシ・ナカモトかどうかより、それをめぐるこもごもがもごもご

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これがタブロイド紙の記事だったらこんな騒ぎにならなかったんでしょうけど。

ビットコインの基本概念の論文を書いたSatoshi Nakamoto本人をつきとめた、という記事は、掘り下げた報道で定評のあるNewsweekがカバーストーリーとして掲載したものです。

書いたのはフリージャーナリストのレイア・マクグラス・グッドマンさん。大学はジャーナリズム専攻で、FrobesやGuardianにも記事を書いている、どちらかというと政治や社会問題が専門の人。

だから、裏の取り方はちゃんとしてるはずなんです。

本人は理系じゃないので、論文とドリアンさんのデータを「科学捜査の専門家」に持ち込んで、ドリアンさんが論文を書いた可能性を分析してもらっています。で、この専門家が太鼓判を押しました

でも、その根拠というのが「ディスクスペースとかムーアの法則とか書いてるからけっこう年齢高いかも」(意訳)というもので、それはどうかなと。マーク・アンドリーセンも一連のツイートで「いや、今でもみんなそういう話してるし」(意訳)と疑問を呈してます。

Newsweekが掲載に踏み切ったのは、レイアさんがドリアンさん本人からきいたという「自分はそれにはもうかかわっていない」という言葉で言質をとれたと判断したからでしょう。

でもこれについて、ご本人が「自分は英語があんまり得意じゃないから(10歳のときに渡米した日系アメリカ人)うまく伝わらなかった」と否定してしまいました。

それに対してレイアさんはさらに、「録音はしていないけど、あの状況で誤解するはずはない。私はビットコインについてお聞きしたいと言ってあったのだから」と反論しています。

いちばんまっとうだなと思ったのは、Newsweekが「全面的にレイアさんを支持する」と言っていることです。

だって最近、こんな対応を見たりするにつけ、メディアの姿勢とかについて考えたりしていたので。 

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