CNETの判断に口を出した親会社のCBSはかっこ悪いなぁ
米国のIT系メディアの老舗、CNETは2008年に米3大テレビネットワークの1つ、CBSに買収されました。テレビ局といったら体質が古そうだし、スポンサーに気を使うお仕事なんだろうなぁという印象。でも、CNETが扱うジャンルは、CBSのお得意様とはあまり関係がないこともあり、これまで大きな圧力を受けることもなくこられたんじゃないでしょうか(表に出ていないだけかもしれませんが)。
ところが、先日までやっていた「2013 International CES」で事件が起きてしまいました。
CNETがCESの終了日に発表するのが恒例になっている「Best of CES award」の最優秀賞に、CBSと利害が対立する製品(テレビ番組を録画してCM抜きで視聴できちゃう「Dish Hopper」)を選んだのです。
メディアは独立していてナンボなので、これをCBSが見逃したらすごくカッコ良かったんですが、CNETに「Dishはうちの親会社と係争中なので最優秀賞はあげません」と言わせたのです。しかも「今後、CBSと係争中の製品のレビューはしません」とまで。
編集長のリンゼイ・タレンタイン氏がその顛末を記事にして、その話自体を今年のBest of CES awardだ、と言っているのはせめてもの救いというか(実際のアワードはこちら)。
これを不服としてシニアライターのグレッグ・サンドヴァル氏はCNETを辞めてしまいました。メディアが自分たちで誠意を持って選んだものを親会社の圧力で引っ込めるなんて、我慢できない、と。
アイティメディアも独立したメディアではなくソフトバンクの系列です。でも、私が知るかぎりソフトバンクがアイティメディアに圧力をかけてきたことはありません。記者という人種は愛社精神より自分が信じて好きなことをちゃんと伝えることを中心に動いているので、ソフトバンクのサービスでもだめならだめと(はらはらするくらい)はっきり書いてます。それでも「ソフトバンク寄りだ」と読者様に言われることはありますが。
ソフトバンクから見たらアイティメディアはちっこいので気にしていないだけかもしれませんが、会社の体質みたいなものもあるんだろうなと思います。そこはいいところだと思ってます。