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来日中のシノフスキーさんってどんな人? Microsoftの次期CEOという噂も

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日本のIT事情に疎いもので、今日は米MicrosoftのWindows&Windows Live担当社長を務めるスティーブン・シノフスキー氏が来日中だということを知らずにSkyDriveの記事を書いてました。

私にとってのシノフスキーさんは、「製品発表のブログがものすごく長くて記事を書くのに時間がかかるからもうちょっとなんとかしてほしい人」です。
Syno
あと、昨年のBUILDの記事で掲載した写真(左のです)のせいで、ブルース・ウィリス似というイメージが。今日の記事の写真ではそうでもないですけど。

そんなわけで、どんな人なのかなとネットをうろうろしていたところ、シノフスキーさん(名前も長いので以下シノさん)のブログよりも長いBUSINESS INSIDERの同氏について書かれたコラムを見つけました。長い(約5000ワード)けど面白いです。お時間のある方は原文をどうぞ。

かいつまむと。

ニューヨーク生まれでオーランド育ちのシノさんはコーネル大学を卒業してマサチューセッツ大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得。そのまま23歳でMicrosoftに入社して同社一筋です。入社数年でビル・ゲイツのテクニカルアシスタントに抜擢され、1994年にインターネットの重要性をゲイツに説いてゲイツから高い評価と信頼を獲得。

いろいろはしょって、

なんといってもWindows VistaでぐちゃぐちゃになっていたWindowsをごりごりと整理してWindows 7をちゃんと動くものとして、しかも(ここ重要)予定通りに公開したことで、バルマーさんからも絶対的な信頼を獲得しました(高く評価していたからシノさんをWindowsの責任者に指名したんですが)。Microsoftでは、ゲイツとバルマーの両方から評価される人はめずらしいそうです。

同僚の評価では、シノさんはものすごく頭が良くて、厳しい人。自分の方針に逆らう人は許さない独裁的な人。スケジュール至上主義で、どんなに追加したい機能があっても、それがスケジュールに悪影響を与えそうならすっぱり切る人。シノさんのメソッドは「まずがっちり計画をたて、実行する。無駄な中間管理職は省く。約束した予定通りに製品を出す」というもの。だからこそWindows 7も(そして今日RPを公開した)Windows 8もスケジュール通りに公開できるんですね。

こういう人は上からの評価は高いですが、同僚や部下からは敬遠されます。時間がかかってもすごい機能を追加したいという情熱を持つエンジニアと相容れないのも想像できます。BUSINESS INSIDERのコラムも、シノさんのやり方が嫌でMicrosoftを辞めた多くの元社員の話が出てきます。

ところで、ジョブズ(黒いハイネックにジーンズ)やラリー・エリソン(黒いハイネックにジャケット)のように、公の場での自分のユニフォームを決めているCEOが何人かいますが、シノさんも(まだCEOじゃないけど)そういう人です。彼のユニフォームは、Vネックの下にTシャツでボトムはジーンズ。色の組み合わせは結構バリエーションがあり、Google画像検索でSinofskyを検索すると、グレー+黒、黒+白、ワインレッド+茶、黒+紺などがあります。
Sino2
独裁的なところ、日本文化が好きなところ(お箸を使うそうです)、混沌を嫌うところもジョブズに似ているかもしれないですが、決定的な違いは(元社員によればですけど)、

彼にはビジョンがない

ことだそうです。あいたたた。どうなんでしょう。成熟した会社でも、やっぱりトップにはビジョンを持っていてほしい気がする。。。

バルマーさんは2017年まではCEOを辞めるつもりはないと言っているそうなんで、後継者を決定するまでにまだ時間は少しありそうですが、Windows 8が成功すれば、シノさんが次期CEOというのはほぼ確実っぽいです。

少なくともこのコラムを読んだ限りでは、シノさんがCEOのMicrosoftは企業顧客にとっては安心かもしれないけど、あまり楽しそうじゃないなぁ。

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