IBMの恒例5年後予測、バッテリー不要の携帯や立体コミュニケーションなど
IBMが2006年から毎年年末に発表している「Next Five in Five(今後5年間に実現する5つのイノベーション)」の2010年版が発表されました。
バッテリーの心配が不要なスマートフォン
空気を利用したり、摩擦や振動で充電できるバッテリーが実用段階になる。これはいいですねー。1日外出する場合、バッテリーがなくなるのが怖くてGPSも使えないという不安から解放されます。
普通の電池も今より10倍は長く使えるようになるそうですが、IBMではバッテリーそのものを不要にできないか考えているそうです。
トランジスタ1こ当たりの消費電力を0.5V以下にすれば、携帯電話や電子書籍リーダーくらい小さい端末ならバッテリー不要にできるんだそうです。その場合、振ったりこすったりして発生させる電力を使います。振動発電は既に腕時計で使われてますね。
3Dテレプレゼンス
ビデオチャットの相手がホログラムで立体化できるという話。うーん。3Dはどうもあまり魅力を感じないんですが、商品開発などの仕事で使うにはいいかもしれないですね。
IBMではさらに進んで、ソフトウェアの設計や地球上の伝染病の広がり方といった抽象的なものを3D視覚化しようとしているそうです。複雑な分岐が多いプログラムの場合、考えやすくなりそうですが、頭が良くないと人間がついていけなそう(2Dでもとっくについていっていない私)。
ユーザーの端末情報に基づいた環境情報の把握
ウェザーニュースは全国のお天気リポーターからの情報を天気予報に利用していますが、これをもっと拡大して、ユーザーのツイートとかだけでなく、端末のセンサーが感知した環境変化などの情報を自動的に集めて地球全体の環境変化の分析に役立てるという構想。
参加する人(端末)が多くなればどんどんデータが正確になりそうですが、参加者数が地域によってばらつきそう。
交通渋滞の解消
車につけたセンサー、運転者の行動パターン、センサーで集めたリアルタイムの混雑状況データなどなどを分析して運転者に目的地までのルートをアドバイスすることで、交通渋滞を解消するシステムが実用段階になる。
コンピュータ発熱の有効利用
今は地球温暖化の一因になっているデータセンターの排熱を効率的にエネルギーに変換して人間のためのエアコンシステムにリサイクルできるようになる。
YouTube: IBM Next 5 in 5 -- 2010
5年後ということなので、いずれも実験的な試みは既に行われている、わりと地に足の着いた予測です。ちなみに来年実現するはずの2006年の予測は以下の通りです。
・いつでも、どこにいても健康管理
・リアルタイムの音声翻訳
・3Dインターネット到来
・環境問題をナノテクノロジーで解決
・あなたの気持ちをわかってくれる携帯電話
健康管理と音声翻訳はわりと実現しそうですね。