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悪評も評判のうち、というけれど

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New York Timesの日曜版には長くて面白いコラムがよく載るのですが、28日(26日publishedになってますが)のデビッド・シーガル氏が紹介したオンラインメガネショップと顧客の話(約5700ワード)は強烈です。

ものすごくかいつまむと、DecorMyEyesというオンラインショップに商品のことでクレームをつけたロドリゲスさんが、ショップからあり得ない嫌がらせを受けたりひどい目に遭った話なんですが、このショップオーナーの開き直りっぷりがすごいです。

いろんな企業に関するコミュニティーが集まっているGet Satisfactionというサイトがありまして、DecorMyEyesのコーナーには案の定多くの苦情が寄せられているのですが、そこにこのオーナーが「おまいらが苦情を書けば書くほど俺様の売り上げは増えるってことを教えておいてやろう。目標はネガティブ広告、だからな」と書いています(一般的なネガティブ広告というのは競合相手を貶めるやり方なのでちょっと違うと思うんだけど)。

つまり、悪い評判であろうととにかく言及されたりリンクを張られたりすればGoogleでの検索結果の上位に表示されるから大歓迎、というわけです。

実際に、現在のGoogleエンジンではある程度そういうことになるようです。少なくとも一般的な検索結果に「いい評判」「悪い評判」を反映させるのは客観性を欠くことになり危険だし。ユーザーの方が単純に上位にあるサイトで買い物をするのではなくて評判をチェックするなどして自己防衛する必要がありそうです。

と、今書いてから自分で検索してみたんですけど、出てこない! DecorMyEyesが。「Christian Audigier glasses」でクリスチャン・オードジェーの公式サイトより上にランクされるってコラムには書いてあるのに。Googleが操作したんでしょうか。うーむ。

それにしてもコラムに出てくる顧客との攻防は読んでいるだけで気持ちが荒みます。もしかしたらこの人、過去にすごいクレーマーにいぢめられてちょっとおかしくなっちゃったんじゃないかと推測。これでは儲かっても楽しくないんじゃないかと思うんですが、匿名希望のこのショップオーナーは「長生きはできないだろうが、このやり方が性に合ってるんだ。狂気が好きなんだよ」と言います。このコラムがNew York Timesに掲載されたせいでSEO効果がなくなったとなると、コラムを書いたシーガルさんが次のターゲットになりそうで怖いです。

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