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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

今年の夏はDelphi/C++Builder無料版とBOOT CAMP

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dx-boy.jpg夏場は、腰を据えてスキルを磨こうというのは世界的に共通なようで、お盆休み前から「BOOT CAMP」なる企画が展開されはじめた。英語圏では、C++ BOOT CAMPを8月中旬、Delphi BOOT CAMPを9月上旬というスケジュールで実施しているが、日本では、お盆休みを避け、以下のような日程で開催することにした。

どちらもビジュアル開発ツールを使って、効率的にプログラミング技術を学ぶという趣旨だが、C++ BOOT CAMPの場合、C++固有の言語新機能であったり、C++言語を習得するためのテクニックなども盛り込まれる。一方、Delphi BOOT CAMPは、Pascal由来の言語構文が分かりやすく明瞭であるということから、言語そのものより、ビジュアル開発に比重を持たせ、ビジュアル開発ツール初心者にもとっつきやすい内容となる予定。もっとも、こちらの言語の進化も著しいので、言語にフォーカスした日も設ける。

いずれもWebセミナー形式で実施するので、オフィスや自宅のPCやスマホ、タブレットから参加できる。

重要なのは、このイベントに合わせて、Delphi StarterC++Builder Starterを無料提供することだ。C++に関しては、C++Compilerの無料提供を続けていたが、IDEとしては、久しぶり。期間限定ながら、多くのユーザーの皆さんの声に応えての実施ということになる。

元々、ボーランドの開発ツール部門と合併したエンバカデロ(第2世代のエンバカデロとでも言っておこうか)は、無料版に否定的で、それ以前に提供していたTurboシリーズの無料版を終了させ、その後、無料版はやりません、と宣言していた。しかし、昨年末に、アイデラの傘下となり、第3世代のエンバカデロとなって、開発者に100%フォーカスする戦略を打ち出すようになると、無料版の提供に関して、いろいろと意欲的な考えを示すようになってきた。この中で、日本のユーザーコミュニティの皆さんの具体的な声(単に無料版が必要、というだけでなく、無料版によって何を推進していくかというアイデアについても語っていただいた)も大きな影響を与えている。

ということで、今回、DelphiとC++Builderのエントリー版という位置付けのStarterが無料で利用できるようになった。これは、テストマーケティングともいえ、今回の反響によって、次の無料版戦略が決まっていくとも考えらえる。ビジュアル開発ツールはじめてという方も、今どきのDelphiとかご無沙汰してます、という方も、ぜひこの機会にトライしていただきたい。

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