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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

LLまつりに行ってきた

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8月24日土曜日、錦糸町のすみだ産業会館で開かれた、軽量プログラミング言語に関する総合カンファレンス「LLまつり」に参加してきた。エンバカデロは、LLというよりネイティブ中心なのだが、今回言語リスクに関するパネルディスカッションでDelphiも採り上げるとのこと。ちょうどエンバカデロのMVPに日本から初めて就任した細川さんが登壇するので、錦糸町まで出かけてきた。

すみだ産業会館というのは、錦糸町駅前の丸井の上にあった。たしかに、大きく「すみだ産業会館」と書いてはあるが、これまで気が付かなかった。

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会場に着くと、ちょうど開会宣言をしているところだった。ユーザー会のイベントは、熱気が違う。温かさが違う。本当に好きな人が集まっている会というのは、本当に強い。

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さて、パネルである。

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そもそも「言語リスク」にDelphiが取り上げられるということに対して、「喜んで!」というのもどうか、と思うかもしれないが、実際Delphiは、長い歴史の中で、盛衰を繰り返しており、お客様もリスクと感じていることがないとは言えない。しかし、一方で、マルチデバイス戦略が進む現在、そのリスクを吹き飛ばす勢いと、経験を積んでいるといえる。言ってみれば、「言語リスク、どんと来い!」の状況というわけだ。

そんな状況を細川さんが、楽しく、しかし刺激的に紹介してくれた。

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Delphiは、現在、Windows、Mac、iOS向けにネイティブアプリを作成できる。さらにまもなくこれにAndroidも加わる。これは、マイクロソフトもアップルもできない。独立系ツールベンダーだからできたことだ。

さて、言語リスクそのものの議論についても触れないわけにはいかないだろう。

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Delphi以外には、Commpn Lisp、D言語、Perlの立場から、言語について熱いコメントが寄せられた。LLということもあって、いずれの開発者も言語を道具として使っている。自分の手に一番なじむ道具が大好きな一押し言語だとしても、もちろんそれ以外の言語も使う。適材適所であることは間違いない。言語に対して、こういうスタンスを取っていれば、言語に支配されて自分のできることが限られてしまうこともないし、ひとつの言語の世界で発想が制限されてしまうこともないだろう。結局言語リスクは使う人の側にあるのかな、という結論。

ところで、LLは、すぐに結果が出ることで重宝されているという趣旨の言葉を何度も聞いた。そういう意味では、Delphiはネイティブではあるものの、ドラッグ&ドロップ開発ですぐに結果が出る。何百行、何千行とコードを書かなければ、動くアプリが見せられない重厚長大系の言語とは大きく異なるので、LL系のプログラマにも選択肢のひとつとして注目していてもらいたい。

ちなみに、Android対応のDelphiは、9月13日のデベロッパーキャンプでお披露目する予定。

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