モバイル開発効率化に対する期待
先日、ベータバージョンの共有の仕方 - Delphi for iOSの場合 という記事で、Delphi for iOSベータテスターミーティングについて紹介しました。以下は、当日の内容について触れたブログ記事(エンバカデロのブログに掲載)。こちらにも転載して紹介しましょう。
去る3月18日、東京・新宿の京王プラザホテルにて、Delphi for iOSベータテスターミーティングを開催しました。これまで、ベータミーティングというと、ベータテスト参加者のみが秘密保持契約に基づいて参加する形態を採っており、ミーティングの実施やその内容について、オープンになることはありませんでした。
しかし、DelphiのiOS開発サポートに対する期待の大きさ、それと同時に、従来 のWindows開発者がすぐにiOS開発を試すことのできない状況にあることも認識していたので、今回は、間口を広げ、ベータテストへの参加資格を持つ 人(これからベータテストに参加しようという人)にも参加していただこうということになりました。
実際iOS向けの開発を行うには、MacマシンやiPhone、iPadなどの実機を 用意したり、iOS Developer Programに参加したりと、それなりに投資が必要です。DelphiによるiOS開発サポートは、開発そのものについてのハードルは大幅に下げます が、モバイルデバイス固有のシミュレータと実機の双方でのテストについては、いかんともしがたいものがあります。
しかし、すでに企業向けのモバイル開発に参入している企業の方にお話を聞くと、案件を見つけるより、案件をさばく開発者を集めるのが大変とのこと。開発ツールによる効率化は急務とのことです。
さて、ミーティングでは2つの工夫をしました。まず、プレゼンテーション形式ではあっ たものの、円卓にして自由に席を移動していただけるようにしたこと。企業向けの開発者にとって、モバイル開発はまだ調査段階というところも多く、先行する 開発者の方とコミュニケーションしていただき、開発者同士の情報交換を促したいと考えたからです。
も うひとつは、実際に製品を試すことのできるデモコーナーを用意したことです。しかも、リモートデバッグ環境も用意して、持ちこみのマシンからもリモート実 行できるようにしました。これによって、まだDelphiでiOS開発を体験していなかった方も、ベータテストを始める前に、その操作を経験できますし、 既にバリバリテストを行っている方は、開発したアプリを皆さんと共有できるわけです。
こうした仕掛けは、夜のミーティングとあって、用意した食事や飲み物も手伝って、効果的に働き、多くの開発者の皆さんが、新しいテクノロジーに興じて会話を楽しんでいらっしゃいました。
モバイル開発の需要は高まるばかりです。iOSだけでもいくつもの機種がありますし、 Androidに至っては、膨大な数のデバイスをターゲットにしなければなりません。ツールによる効率化は、単に現在の開発パラダイムをそのまま少し改善 するようなものではなく、劇的な変化をもたらすパラダイムシフトでなければなりません。しかし我々は、すでにその変化をWindowsアプリケーション開 発で経験してきました。それを、今台頭するモバイルプラットフォーム向けに開花させるのは、もうまもなくです。
4月23日には、より広くDelphiによるiOS開発の実際を知っていただく技術イベントとして「第25回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプ」を開催します。