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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

恒例の年明けの演奏会に向けて、練習が最終段階に入ってきている。この時期になると、細部で指がもつれるような部分を集中的に練習して弾けるようにしたり、アンサンブルに注意したりと、失敗しない音楽作りにベクトルが向かうものだが、一方で、全体の構成や音楽としての指向性などを漠然としたものから、確固たるものにしていく作業が欠かせない。

いわゆる名作の部類は、既に何百回も聴いていて、その構成も頭の中に入っている上に、名作といわれるだけあってしっかりした作りになっているため、そうそう難しいイメージトレーニングを必要としない。しかし、めったに演奏されない掘り出し物作品や、隠れた名作(平たくいうと二流作品なのだが)は、構成に無理があったり、オーケストレーションに難があったりして、惰性で演奏すると、もやっとしたものになってしまうことがあるのだ。

Cpo09

そういう視点からすると、今回取り上げるドヴォルザークの「金の紡ぎ車」はまさしく惰性演奏禁止の作品である。中間部にかなり冗長な部分があり、パート譜にも省略記号が記載されており、実際、数十小節ダイジェストして冗長さを解消する手段も用意されている。当オケは、基本的にあるものは全部演奏する主義(つまり繰り返し記号があれば、繰り返す、たとえ長くても…)なので、このダイジェストソリューションは採用せず、冗長さを解消する演奏を行わなければならない。う~ん、気でどこまで持っていけるものか。

全体的に眺めてみると、旋律やリズムが結構陳腐だなぁと感じていた(それはそれで味があるのだけれど)のだが、先日の練習での指揮者の一言ですべて理解した。つまり、このおとぎ話(ストーリーはこちらを参照)は、「偽りの儀式」を含んでいるのだ。この偽りの儀式をおとぎ話の中でやるということは、「おとぎ話の中のおとぎ話」にほかならない。おとぎ話の中の作り物は、より作り物らしく、いっそう陳腐な印象をかもし出す演奏でなければらないということだ。

具体的なイメージを抱きにくい場合には、映画「シュレック3」を見るとよい。そもそもシュレックは、おとぎ話を現代風のスパイスで皮肉たっぷりに味付けしたものだが、その中でチャーミング王子が自らおとぎ話を演じる。その舞台セットの陳腐さは、おとぎ話感たっぷりだ。

手の込んだ舞台装置を作って、おとぎ話の悪役たちに歌の練習までさせて、なんでおとぎ話を演じる必要があるのだ、というおかしさは、外枠のおとぎ話であり、その中で演じられているのが、内枠のおとぎ話。この2つは区別しなければならない。これがつまり、「金の紡ぎ車」にも通じる演奏のイメージということになる。

ところで、シュレックにはスピードがある。「金の紡ぎ車」の冗長さを解消するには、やはりシュレックにヒントがあるのかもしれない。

hifujii

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藤井 等

藤井 等

エンバカデロ・テクノロジーズ勤務。
ボーランドの開発ツール事業分離発表を受け、数年ぶりにマーケティングに復帰し、2009年からは日本法人代表へ。
仕事に関連したソフトウェア開発やマーケティング、ビジネスに関する話題、週末には音楽の話題を。

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