先日の天声人語、確かにちょっと気になるなと思っていたのですが、この種の議論、ときどきありますね。
クラシック音楽を鑑賞するときにはマナーを守ろう。いや、そんな硬いこと言ってるから気軽に楽しめないんだ、みたいな論争です。なんかクラシックってひとくくりにすることがナンセンスな気がするんですけどね。
そもそも天声人語で語られているマナー違反は、決してクラシック初心者ではない気がします。うちのオケにはいませんけど、アマオケにはよくブラボー隊(いわゆるサクラです)がいたりしますし、割れんばかりの拍手をしている人って、むしろ熱狂的なファンだったりするようです。
実際のところ、演奏する側にとって、こういうマナー違反がどれほど不快なのか、自身の経験、またプロの奏者などから聞いた話などを総合すると、「それほど気にしてない」というのが正直なところです。もちろん最後の余韻を楽しんでほしいとか、全曲終わらないうちに拍手しちゃったとか、気にならないといえばウソですけど、拍手したいと本当に思ったならいいじゃないですか。本当に鬼気迫る演奏で、最後に消え入るような音を奏でたとしたら、みんな息飲んじゃって、だれも拍手できないんじゃないかな。
よく例として挙げられるのが、チャイコフスキーの交響曲第6番、いわゆる「悲愴」というやつです。第3楽章が華々しく終わるので、つい拍手しちゃうんですね。これに対して、「いい3楽章だったから拍手したくなったんだったらいいじゃないですか」という好意的な意見。それから、「拍手できないように、間髪入れず4楽章に突入しましょう」という対処療法的な意見など。でも、「拍手するとは失礼な」という話は聞いたことがないですね。
むしろ、全曲終わってから拍手しましょう、とか、アンコールを要求する手拍子をしましょう、とか、そんな聴き手の感情無視して形式的に押し付けるほうが、失礼な気がしてしまいます。
クラシックコンサートにはそれなりの服装で行きましょうとか、作法や形式にこだわるのは、むしろ、チケットが高くて、クラシックコンサートに高い価値を見出さざるを得ない聴き手のお財布事情もあるんじゃないかと感じます。高いお金出したのに、マナー違反で邪魔されちゃたまらない、という意見です。
クラシック全般に押し広げると、どうも不毛な論争になって正直興味を失います。実際のところ、ジーンズにTシャツで行ける身近なコンサートはいくらでもあるし、かしこまって聴いてる必要なんてないんで、気軽に楽しめばいいんだと思いますよ。
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藤井 等
ボーランドの開発ツール事業分離発表を受け、数年ぶりにマーケティングに復帰し、2009年からは日本法人代表へ。
仕事に関連したソフトウェア開発やマーケティング、ビジネスに関する話題、週末には音楽の話題を。
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