出張直前、演奏会本番
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1月は毎年忙しい。ニューイヤーコンサートというか、定期演奏会が必ず1月の2週目ぐらいに行われる。そしてたいていその後に、キックオフがあって本社に出張である。
かくして、出張準備から、がらりと意識を変えて、これから明日の夜までは音楽漬けになる。
今回の演奏会は、ラフマニノフの交響曲第3番。前プロには、ラベルのラ・ヴァルスとファリャの三角帽子と多彩。ラフマニノフも、じっくり聴かせる第2番に比べて、3番はコンパクトでどうもあわただしい。これでもか、これでもか、とロマンチックな旋律を押し付けてくる感はない。
そのため、演奏する側は、ラフマニノフの甘い旋律を弾くのに、徐々にあっためて盛り上げていくような受動的な気分でいると、気持ちが入る前に終わってしまうので、瞬間的な気持ちの持って行き方が重要になる。
そういえば、ラ・ヴァルスも、突然色彩を変えてみたり、ピアニッシモからフォルティッシモに1拍でクレッシェンドしてみたりと、訓練された切り替えを要求する。練習のとき、こういう箇所には、クレッシェンド記号を強調して描いたり、線で区切って突然の変化に注意を促したりするのだが、本番直前にパート譜をきれいにして、色分けしたり、もっと強調してみたりする。まあ、だいたいこういう作業をしているころには体で覚えているものなので、本に傍線を引く作業とあまり変わらないのだが。
激しい変化は、聴く側にとっても楽しいが、過度な変化の連続は、耳が疲れてしまうのではないかと危惧する。ラ・ヴァルスは、そんな恐れが出てきておかしくなってきたころ、突然曲が終わってしまう。本当に変化の激しい曲だ。
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