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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

開発ツール 2.0はまだまだ先のこと?

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先週、開発環境そのものの方向性について立て続けに話をする機会があって、「今の開発環境の枠組みって使いやすくないよね。なんか革新的なこと考えないとね」という意見で意気投合する一幕がありました。

そもそも、今の開発環境は、IDE(統合開発環境:Integrated Development Environment)という、エディタとコンパイラとデバッガがひとつのツールとして統合されたもの。その起源は80年代後半にまでさかのぼることができます。ソフトウェアの複雑化、ツールの高機能化が進む中で、画面に表示する情報が格段に増え、画面を複数の領域に区切った、マルチペインは当たり前の光景になりました。

しかしながら、このマルチペイン、作業に集中したい領域をじゃまする過剰情報でもあり、高解像度モニタが必要だ、とか、マルチモニタがいいとか、あらぬ方 向に改善努力を要求する結果になっています。使わない領域を一時的に隠したり、画面レイアウトを保存して簡単に切り替えられるようにしたりと、ツール側も いろいろな工夫を凝らしますが、どれも現在の延長線上にある改善に見えます。

もちろんこの間で、大きな発展もありました。EclipseのようなIDEプラットフォームの考え方、オープンなプラグインなどの手段です。これによって、開発環境は、独自のプラットフォームとして孤立しているのではなく、他の関連する技術を取り入れて、進化できるようになりました。

しかし、この進歩も、現在の技術では、ペインのひとつに押し込められていたり、開発環境の肥大化するメモリの一翼を担う結果になっているのも事実です。いわば、「便利になった。でも画面が狭くなって、メモリがもっとたくさん必要になったね」です。

開発ツールは現在の延長線上で進化を継続していくのでしょうか?だとすれば、今風の言い方では、バージョン番号がいくら増えても「開発ツール 2.0」にはならず、パラダイム的には「1.x」のままなのかと思います。

もっと、個々の機能がよりゆるく連携するような新しい統合のかたちってないものでしょうか。自分自身、その答えは見つけられていませんが、その未来形は、CD何枚も使ってインストールしたり、起動までやたら待たされたりすることのない、軽量なところに入り口があるようなイメージを持っています。

現在、開発ツールのロードマップに関連して、社内的にも社外的にも、いろいろな議論がなされています。ベースとなっているのは、こちらの 3年ロードマップなのですが、このロードマップは、個人的見解では、現在の技術の延長線上に線を引いたもの、という印象です。

あ、こうした書き方をする と会社の方針に反旗をひるがえしているような印象かも知れませんが、そもそもこのロードマップは、「計画案」を提示することで、フィードバックをもらっ て、よりよい計画にしていこうという趣旨のものなので、全然OKという認識です。皆さんも一言あれば、お寄せくださいね。

念のため、これは私の所属するボーランドの正式な見解またはコメントではありません :-)

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