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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

セミナー配布資料どうしてます?

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PowerPointなどを使って作成したスライドなどの資料を、セミナー当日にプリントアウトして配るかどうか、またどんな形式で配るかは、結構悩ましい問題です。締め切り、集客予想、歩留まり、コストなど、いろいろな台所事情もあります。

5月に実施したイベントで、97%のアンケート回収率をいただいたという話しは以前しましたが、その中で、配布資料について、大変参考になるコメントをいただきましたのでまとめてみたいと思います。

  • 当日に配布資料が必要な理由
    画面が見づらいとき、先に進んでしまったときなどにプリントアウトがあると確認できる。ぜひ配布してほしい。
  • デモの内容を後で再現してみたい
    会場で行ったデモはさーっと進んでしまってよく分からなかった。あとで振り返ることができるような資料がほしいけど、スライドだけだと足りない。
  • 資料のスライドはもっと大きく
    小さい字や画面ショットが見えない。
  • ダウンロードは分割と一括の両方を
    後日ダウンロードできるのはありがたいが、セッションごとのダウンロードだけだと面倒。全部の資料がほしい場合には、たとえサイズが大きくても一括ダウンロードが便利。

全部の要望に応える、というのは難しいのですが、何のための配布資料か、という原点を忘れないためにも、こういったフィードバックは重要です。

さて、資料そのものを、どのぐらいの大きさで印刷するか、悩ましいところです。小さく印刷すれば印刷代と時間を節約できますから、コスト、締め切りの両方でメリットがあります。社内のコピー機を全開で働かせるにしても、1ページあたり6スライドと2スライドでは、3倍近く時間に開きがあります。

しかしこの、「小さく印刷」というのはあまりよろしくないようです。まあ、大抵セミナー会場は、若干照明を落としますから、細かい字は見えません。でも、細かい字を確認するためのプリントアウトだと、小さい印刷では役に立たないという訳です。そもそも、画面サイズ型のスライドを、どう並べようが、1ページ2スライドよりも小さいと、あまり変わりがありません。実際のところ、小さい字も良く見えるように、と配慮するなら、PowerPointの1ページ2スライドの印刷でも、余白が多くてスライドそのものはやや小さく、結構厳しいです。

今週木曜のイベント用の配布資料では、いろいろ検討した結果、通常のPowerPointの資料印刷ではなく、Wordを使ってもうひといき大きくした1ページ2スライドの印刷にすることにしました。会社のホチキス留め機能付きコピー機が50枚までのキャパなので、今回の資料を100ページ以内に押し込んで対応することにしました。

で、PowerPointの資料を、どうやってWordにもってくるか、というと、まず、PowerPointファイルをWMF形式で全ページ保存します。すると、ページ数分のWMFファイルが出来上がりますので、あらかじめ1ページにスライドが2枚入るような表をつくっておいたWord原稿に、一気に流し込みます(XP以降だと複数のイメージファイルを一度に選択できるので一発!)。

ちょっと面倒なようですが、バラでPowerPointを印刷した場合のアセンブリ工程や、1ページ1スライドにしたときの2倍のコピー時間などを考えると、このほうが時間節約になります。

ちなみに、PowerPointは、他にもスライドをBMPやGIF、TIFFなどに変換して保存できます。でも、いろいろ試した結果、WMFが一番きれいにWordにインポートできるようです。


これはWordインポート方式で作成した今回の配布資料の試作版。さきほど全セッション資料が集結し、今晩よりコピー機がフル稼働します。

ところで、資料に関係して、話し手の立場から気付かされたのは、話し手のペースと聞き手のペースが合わないときに資料が役に立つという点です。早口でどんどん飛ばすと、聞き手はスクリーンに表示されたスラ イドを読む間もなく「?」が出てきちゃいます。こんなときにプリントアウトがあると、「ちょっと待て、今のところもう一度読んでみよう」となります。つまり、話し手は、聞き手が自分と同じテンポを感じてくれているかどうかを、プリントアウト資料をめくるタイミングを確認し て、スピード調整できます。ランダムにペラペラめくり始めると、これは逆に退屈な証拠だったりしますから、これも注意信号と受け止めなければなりません。

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