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MicrosoftはWindows Phoneの夢を捨てていない

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Microsoftがポケットサイズのモバイルデバイスを開発中であるという話は少し前からささやかれていましたが、少し具体的な動きがあったようです。

Microsoftのモバイル秘密兵器「Andromeda」は、2画面折りたたみ型「Surface」なのか

具体的なサイズはわかりませんが、限りなくスマホに近い感じもします。(ちょっと分厚すぎるかな)各メディアは、「スマホ」とは言わずに「新型モバイルデバイス」とか「2画面デバイス」と言っています。Microsoftもメディアも、「スマホ」というと騒ぎが大きくなると思っているのかもしれませんね。

しかし、そもそも小型のタブレットとスマホの違いって、電話として音声通話できるかどうかでしかないわけで(すよね?)、しかも今時電話として電話することってほとんどありません。両者の違いは積極的に小型化を追求するか、画面の大きさを維持して使い勝手を良くするかの違いでしかなくなっているのではないでしょうか。

小型タブレットのサイズで電話機能がついたデバイスのために、「ファブレット」というジャンルもありますし、Microsoftがこの新デバイスをスマホにしようと思えば、技術的には簡単なはずです。(というか、ファブレットとして作っておいて、様子を見てどちらかに決めるということもできそうです)

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ともあれ、Andromedaはスマホにはならないとしても、限りなくスマホに近い携帯デバイスとは言えるでしょう。ここまで来れば、あとは市場性の問題だけで、次の段階でさらに小型の「スマホ」が登場する可能性は十分にありますよね。昨年、Microsoftの幹部がWindows Phoneの事実上の終了をツイートしたというブログを書きましたが、やはりあきらめてはいなかったのですね。

Windows Phone の開発終了は新たなプラットフォームへの戦略転換なのか

このときも書きましたが、私自身は、Windows Phoneは企業向けにはメリットがあると考えており、クラウドに完全に舵をきったMicrosoftにとっては、再度挑戦する意味は十分にあると思います。

というか、よく考えると今時Windows PhoneというOSを別立てで用意する必要も無いわけですよね。Windwos10がスマホに載れば良いだけの話です。Windows Phone開発終了という話も、そう考えれば納得が行きます。

スマホはMicrosoftにとって最後のピース

マイクロソフトが「Surface」に注力する理由

この記事を最初に読んだときは「そうなのかなー」と思いましたが、その先にスマホがあるのだとすれば、話はだいぶ違います。以前も書いたように、MicrosoftはiPhoneより遙か昔からモバイルデバイス(≑スマホ)に取り組んでいます。しかし、成功できなかった。当時のMicrosoftにはできなかったことをAppleは成し遂げたわけですが、今のMicrosoft(生まれ変わったMicrosoft)であれば、可能性はかなり高くなっているように思います。

今のMicrosoftは、Windwosを前面に押し出すことはやめましたが、相変わらずクラウドからIoTまでの幅広い分野で製品を展開しています。その中で欠かけている最大のピースがスマホなのです。

ついにWin32が動くスマホが実現する?

そして、この件でどうしても出てこざるを得ない(^^;)のが、x86互換の話です。いまさらx86互換なんか無くても良さそうなものですが、やはり古くからのWindowsユーザーにはどうしても捨てられないツールが一つや二つはあるもので、それが使えるかどうかはやはり非常に気になります。この「オタク的」要望を叶えるためにどれだけのコストがかかるかはわかりませんが、いまのところMicrosoftはサポートの方向で考えているようですし、これは非常に待ち遠しい。

沢山売れるかどうかはわかりませんが、欲しがる層は確実にいるようです。

Andromedaよ来たれ! Microsoftの次期スマホを後押しする署名運動始まる

私も、このサイズでWin32アプリが動くなら欲しいですね。

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