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Officeのソースコード統合から見えるMicrosoft の夢と野望

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Microsoft Officeのソースコードがついに統合されたそうです。

Microsoft、「Office 2016 for Mac v16」をリリース、WindowsやMacなど全てのプラットフォームでコードベースが統一

なんといっても、当代随一のエンドユーザー向けソフトウェアスイートのソースコードが統合できたのは凄いことです。長年の懸案だったようですが、本腰を入れ始めたのは2008年だそうで、これはiPhone発売の翌年でiPhoneが勢いを増しつつあり、Androidが発売された年でもあります。その時点でマルチプラットフォームの時代を見越したのだとすれば、大変な先見の明です。オープンソースの時代を見通したハロウィーン文書といい、Microsoftはやはり侮れないです。

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ワンソース・マルチプラットフォームへの道

Windows PCがクライアントのほとんどを占めていた時代には、アプリケーションはWindowsにだけ対応していれば良かったのです。Windowsで動けば、最大のマーケットに対応できます。無理してMacに対応しても、労力に見合うマーケットは存在していないのです。(AdobeなどはMacユーザーが多いという特殊事情がありました)

それがiPhone・Androidの台頭によるクラウドの発展によってPCのシェアが下落し、本格的なマルチプラットフォームの時代を迎えています。新しく作られるWebサービス・Webアプリは、当然のようにマルチプラットフォームに対応しているわけですが、Officeのように昔からあって今でも広く使われているソフトをWeb標準ベースで作り替えるのはえらいことです。そのため、異なるコードベースをメンテナンスせざるを得ず、今後さらにマルチプラットフォーム化が進むと、開発側の負担がどんどん増えていくことになります。開発側の負担が増えることは、提供価格の上昇やサポート打ち切りにつながり、エンドユーザーにとっても良いことではありません。

なんとかしてプラットフォーム毎にコードベースをメンテナンスしなくて済むように、というのは、ソフトウェア業界ではクラウドの遙か前から模索されていました。有名なところではJavaです。「Write Once, Run Everywhere(一度書けばどこでも実行できる)」がJavaのスローガンです。しかし、中間コードを使うため動作がどうにも遅く、クライアント側では普及しませんでした。全然余談ですが、先頃OracleはJava SE(クライアント向けJava)の無償サポート打ち切りを発表しています。

電子入札が使えなくなる恐れ、波紋呼ぶJavaサポート打ち切り

ネイティブアプリでマルチプラットフォームを実現するノウハウが蓄積された

様々な取り組みがうまくいかずに今に至るわけです。元々ポータビリティの高いWebアプリ・Webサービスはこれからあまり心配は無いでしょうが、まだまだネイティブアプリの需要はあるはずで、その場合のマルチプラットフォーム化をどのように実現して維持していくいくのかは開発側にとって大きな関心事でしょう。

その問題に光明をもたらしたのが、今回のOfficeのソースコード統合ではないでしょうか。これだけの巨大アプリの統合が可能だということが証明され、そのためのノウハウも蓄積されたはずです。

OSで儲けることができなくなりつつある中、OfficeはMicrosoftにとって非常に重要な製品になっています。将来を考えた場合に、どうしても統合しておかなければならないという危機意識と、Microsoftという巨大組織の潤沢な資金やリソースがあったからこそ可能になったことでもあるでしょうが、今後この実績を活かして、様々なツールやサービスが提供されることになれば、開発者を助けるというMicrosoftの大きな目標を達成できることになります。以前も書きましたが、Microsoftの原点は「開発者ファースト」にあるのです。

操作性の違いはしょうが無いのか?

ただ、ソースコードが統合されたと言っても、操作性などには違いが残っています。PCとスマホでメニューや操作が違うのはしょうがないですが、Windows版とMac版で、操作が若干(というか、結構)違うのですよね。こういうの、統一して欲しいなあと思うのですが、Windows版とMac版を交互に使うような人っていないんですかねえ。恐らくはいつの間にか各プラットフォーム間での操作の違いが出てきてしまって、いまさら変えるとそちらのユーザーからクレームが付くでしょうから、変えない方が良いということでしょう。まあ、その判断は正しいと思います。私もそう書きました(笑)。

UIは変えちゃいかん! Microsoft の UI/UX 音痴について

私はMacにVMware Fusion入れてWindows10を動かしており、両方にOffice365を入れています。なぜ両方に入れなければならないかというと、アニメーションの動きとかフォントによるレイアウトに微妙な違いがあるためです。資料を配付する場合、多くの人はWindowsでOffice使っているでしょうから、そちらに合わせるのですが、私自身がプレゼンするときはMacのほうでやります(以前Fusion上のWindows+Officeでプレゼンモードにしたとき、プロジェクタへの接続がうまくいかなかったり、動きが遅くなったりしたため)ので、わずかな操作の違いにイラっとくるときがあるのです。むしろわずかだからこそ、余計にわかりにくかったりもするのですよね。

私のような例は少ないのかも知れませんが、ソースが統合された今、何かのスイッチで操作方法を選べるようにするとか、何か方法があるのでは無いかとも思うのですが。。

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