組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

人材育成と主体性

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直近発表された有効求人倍率が、高度経済成長期以来約44年ぶりの高水準である1.56倍をつけました。社会的に人手不足が深刻となっており、皆様の会社でも人材の確保に苦労されているのではないでしょうか。

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採用にかかるコストが増大化する中で、いま会社にいる人材を育成することに目を向けることが重要ではありますが、こんな記事がありました。

世界33カ国・地域の労働者に対して、勤務先の企業が負担する研修を受けている割合を調査したところ、国際平均が66%であるのに対して、日本の労働者は約40%にとどまっており、調査国・地域中最下位の数値だったとのことです。(出所:日本経済新聞)。

同じ調査の中で、「日本の労働者はスキルアップが必要である」と回答した割合は8割を超え、世界平均の7割より高い回答になっています。社員の目から見ると、自身の成長のためにスキルアップを必要と考えているものの、会社が人材育成に対して、十分に費用を負担していないと見えるようです。果たして本当にそうなのでしょうか。

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今度は企業側から見て見ます。教育研修費用の実態調査によると、2016年に企業が実施した研修費用の総額は5,237万円、社員一人当たりの平均費用は約3.7万円と、2年連続で上昇しています(出所:産労総合研究所)。しかも、2017年の予算額も、前年比で増加しているとのことです。昨今の人材育成が必要な状況を企業側は適切に捉えており、費用を負担する傾向が見られます。

企業側は、社員に必要と思われる研修を十分に準備している一方で、社員は十分に負担してもらっていないと感じている。この認識のずれはなぜ起こるのでしょうか?

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様々な要因が考えられると思いますが、"主体性"というキーワードで、解決の糸口が見えるのではないかと感じています。

まず企業側は、人材育成研修を社員に周知する際に"何のために行うのか"という目的を明確にすることが大切です。

例えば、これから管理職になる方々に対してマネジメント研修を受講させる場合、幹部候補としての期待や役割の理解を行わないままの実施では、強制的に受けさせられたというマイナスイメージにつながり、"主体的"な参加にはつながりません。

全体周知や実施の際に"何のために行うのか"をはっきりとさせることで、主体性を持たせて、社員の意識を高くすることが可能となります。

また、社員の側も、会社が行う人材育成研修に対して"主体的"に参加することが大切です。自分の興味・関心のある内容が、会社が求めるスキルの向上つながるとは限りません。会社が準備している研修や制度に対して、苦手なものでも関心を持ち、どんなものでも自身のスキルアップにつながると捉えて活用することが求められます。

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"主体性"は、研修だけでなく、日々の仕事でも求められるものですが、業務多忙であったり、現状意識の思考が強いと、なかなか発揮することが難しいものです。また、社内のメンバーに主体性がないと嘆いていても、いつの間にか主体性が発揮されるわけではありません。まずは人事の側からの発信方法を変えることで、社員の視座を上げる仕掛けを作り出すことが大切なのではないでしょうか。



人材開発コンサルティング事業部
山川 神太浪

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