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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

ベンチャー企業、一流と二流の違い

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どうせなら二流よりも一流を目指したいですね。誰もがそう思いますが、実際はなかなか難しいものです。ここでは、今まで100社以上のベンチャー企業とお付き合いしてきた経験をもとに個人的な見解を述べたいと思います。なお、本コラムは5年前に投稿したもののリライトです。(さすがに5年前とは結論が変わりましたw)

では、一流と二流の違いとは?

結婚して17年目になる私ですが、結婚当初に妻に言われ、今も覚えている言葉があります。

妻「パパ、一流と二流の違いはわかる?」
私「もって生まれた才能かな」
妻「その日やらなければならないことを、毎日やり続けられる人のことを一流っていうのよ」

妻は学生時代に合気道の全日本選手権で優勝し、世界選手権でも入賞しており、その「差」を知っていたのだと思います。 「その日やらなければならないことを、やり続けることができる」この一見簡単なひとことは、目標を少し高く置いた瞬間に結構難しくなります。とくにベンチャービジネスの話になるとなおさらです。 人間は誰もが寝なくてはなりません。そして時間は限られています。お客様にとって、その会社の内情(人材不足など)やキーマンの寝不足などはまったくお構いなしで、その会社が提供するサービスに満足できるかできないか、それだけがお客様には重要なのです。一方、サービスを提供する会社側にあるのは、有限のものばかりなのです。

すべてのリソースは有限です。

時間、資金、そして人材などなど、ベンチャー企業は大企業と比べてそのリソースは非常に少なく、限りがあります。ベンチャービジネスの成功可否は、その限られたリソースを有効に活用できるか否かにかかっていると言っても過言ではないでしょう。 時間は増やしようが無く、資金は自己資本比率を考えればある程度までしか増やせません。そう考えれば、人材パワーに目がいくのですが、これがなかなか難しいようです。

人を増やすだけでは駄目ですよね。

チームの原則として出来が悪い人が一人いると、その出来が悪い人のレベルに全体の品質が落ちます。リソースが有限であれば極力良いリソースを得る事が重要なのです。つまり、如何に良い人材を集められるかがとても重要なのです。良い人材を集めるためには以下の2点が重要です。

1)トップ層の人材が優秀である事。

トップ層以上の人材が集まる事はまずありません。サラリーマン思考の人は誰もが自分より出来る人についていき、幸せになりたいのです。

2)より多くの優秀な社員が恩恵を受ける事が出来るビジネスモデルを実現できる事
誰もが自分が可愛いので、メリットが無いのにその会社に入ったりしません。優秀な社員ほど目利きであるため、優秀な社員を雇用するためにはより高いレベルのビジネスモデルの策定と実現が必要なのです。

上記については、2)を実現するためには自分自身が優秀になり、優秀なトップ層の人材を獲得することが第一歩になります。もし、一人で起業をしようと思っていて、仲間がいない人がいましたら、優秀な人材が集まる場所に顔を出すようにしてください。トップ層の人材が優秀でないと、その部下に優秀な人材は集まりません。そうです。結局、自分自身が優秀でなければ、優秀なNo2を得ることもできないのです。志が同じ、相性が合う、思考が近いなどトップ層の人材を形成する際に性格や考え方で重要な事項もありますが、このパワーバランスが前提だと思います。このバランスが悪いとゆくゆくは決裂すると思います。

そして、極力よい人材を集めた後は、社員のモチベーションの活性化が極めて重要であると考えています。

人材パワーを強化するといっても、人数を単純に増やせば、食い扶持が増えるので、赤字になります。よって、人数は適正な人数を維持しつつ、個々の人材の稼動効率を向上させるような動きが必要になるはずです。 しかし、「人材数を最適化し、個々の人材の活動量を増やし、社員のモチベーションを上げれば完璧かと言えば、実はそれだけでは足りません。 モチベーションの向上のために個人のやりたい方向を尊重すれば、個々がバラバラのことを考えて、バラバラに動いてしまいます。モチベーションは、一時的には上がりますが、会社全体としての活動量は最終的に落ちます。 一方で個人のやりたいことを封じ込めて、無理やり会社のビジョンに合わせようとすれば、個人のモチベーションが落ちます。これも会社全体としての活動量低下につながります。 会社のビジョンと個人のモチベーション。この両立は意外に難しく、多くのベンチャー経営者は板ばさみになって悩みます。

取るべき最善の手段

では、とるべき道は何かと言えば、それは会社のビジョンと社員の接点を見出し、それをしっかり伝えきることであると私は信じています。これなくしては、絶対にうまくいきません。この接点とは何か?と言えば、私は二つを挙げます。

1)目標達成時の会社と市場のイメージ
2)1)を実現する為の具体的な手段、手順のイメージ

1)は経営陣ならば持っていて当然の事柄ですが、2)が意外と存在しない会社が多いのが実状です。この2)がないと、社員は1)を信じることができず、モチベーションが上がりません。また、そもそも社員自身がどの部分で活躍するかが見えなく、想像できないため、モチベーションが上がりにくくなるのです。

1)も2)も両方とも「イメージ」が出てきています。
つまり、「ビジョン」です。「夢」や「希望」ではなく、「ビジョン」です。

結論としては経営者が「極めて明確なビジョン」を持てるかどうかが一流の企業になるか二流の企業になるかの境目だと思います。
「極めて明確なビジョン」があれば、判断も正確になり、速くなります。求心力も向上しますし、実現する手段も明確になり易いです。

「極めて明確なビジョン」とは「まるで映像のように5年後10年後の会社のイメージを説明できるような事」であり、別の言葉では「5年後と10年後のビジョンをお金と時間で説明できるレベルのビジョン」だと思います。

最後に、その「極めて明確なビジョン」を養うにはどうすればよいか、自分の考えを述べます。
極力社長の近くで働ける職場に就く事が重要であると思います。社長の近くで働けば、日々学ぶことも多いですし、予行練習的なシュミレーションも可能です。
もし、将来起業を考えている人がいれば、尊敬する社長に弟子入りするべきと思います。厳しいでしょうが、それが一番の近道だと思います。

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