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SSD(半導体ストレージ)には寿命が非常に短いものと、とてつもなく長いものがあります ~RAM SSDとFlash SSDの違い~

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皆さま、こんばんは。
コアマイクロシステムズの吉政でございます。

弊社はSSD(半導体ストレージ)屋さんということもあり、「SSDはいらんかえ~」と日々売りに歩いています。

#SSDはsolid state drive(disk)の略で、半導体素子でできているディスク(ドライブ)という意味になります。Diskといっても、実際は一般のHDDのように、ディスクが回っているものではありません。パソコンの中に入っている、いわゆるメモリをHDDのように使用するようなイメージです。
ディスクが回って、その中を読み取るスタイルとは違い、メモリなのでとっても速いのが特徴です。

弊社のSSDは「Solid STOR」という名前で、フルランダムでReadとWrite同時のアクセスで30万IOPSを実現できます。その速さは汎用RAID装置と比較して2桁違いなI/Oを実現できます。(IOPSとはInput Output Per Secondの略なので、1秒間に何回InputとOutputができるかというストレージのメジャー指標の一つです)

その「Solid STOR」の説明をしていると、かなりの確率で「SSDって寿命が短いでしょ?」と聞かれます。

それもそのはずで、最近、SSDは安価で寿命が短い Flash SSDのほうが有名になってしまったため、そのようなイメージが定着してしまっているようです。さらに、Windows 7では、OSとしてFash SSDをサポートすることになったので、SSD=Falsh SSDと思われている人が多くなっています。

Flash SSDは皆さまもお使いのUSBメモリにはいっているようなSSDがそれに当たります。
これは電源が落ちても記憶を維持できるのですが、代わりに書き込み回数の制限があります。この「書き込み回数制限」が「寿命が短い」という意味になります。

では、何故、Flash SSDには書き込み係数制限があるのでしょうか?
それは、電子が貫通する際に酸化絶縁膜を劣化させることがその原因だそうです。ちなみに、書き込み回数制限を超えてしまうと、データが消失してしまうという危険があります。

このように説明すると、弊社のフラグシップ「Solid STOR」も寿命が短いの?と思われるかもしれませんが、「Solid STOR」はFlash SSDではなく、DRAM SSDを採用していますので、SSD自体の耐用年数は何と108年と非常に長いです。

そうなんです。DRAM SSDの耐用年数は108年もあるのです。
(導入した人はすでに生きていませんね)
(正確にいえば、「Solid STOR」が採用しているDRAM SSDの耐用年数が108年あるということです)

ちなみに、RAM SSDと Flash SSDは寿命だけではなく、Read/Writeの性能も違います。当然、RAM SSDはパソコンのメモリに使われるだけあって、RAM SSDのほうが速いのはイメージ的には理解できますよね。

そして、DRAM SSDとFlash SSDでは単価も違います。(DRAM SSDのほうが単価が高いです)

では、「Solid STOR」は高いのか!?といえば、32GBで250万円ですので、DRAM型のSSDの中では群を抜いて安価で、しかもDRAM SSDの中でも世界最速水準という優れモノだったります。

32GBで250万円?? 高い!!とまだ思われるかもしれませんが、実はERPやBI、DWH(データウェアハウス)やSNSのようなパフォーマンスを求められるシステムに組み込むことでトータルのコストを大幅に軽減できるのです。

これはどういうことかといえば、通常の汎用RAID装置で、これらのシステムを構築した場合、パフォーマンスを上げるために、DBをチューニングしたりしますがハード的には、並列で何台も並べていくことでパフォーマンスを出そうとしますよね。

そのコストを考えれば、RAIDコントローラーの下に「Solid STOR」と汎用RAID装置を接続し、パフォーマンスを求める処理は「Solid STOR」を使用し、そうでないところには汎用RAID装置を使用することで、高いパフォーマンスと低コストでの導入を実現できます。

特に、これからはPostgreSQL(PowerGRESを含む)やMySQLなどを活用したミドルハイのエンタープライズ系のシステムには「Solid STOR」の適用が多くなると考えています。

理由は単純で、PostgreSQLやMySQLをご利用される方はコストに非常に敏感であり、良いものであれば、統一ブランドにこだわらないお客様が多いからです。また、PostgreSQLやMySQLをチューニングできる技術者が少なく、ソフトウェア面でチューニングをかける工数を考えると、シンプルに「Solid STOR」を導入したほうが安くなるためです。さらに、PowerGRES+Solid STORであれば、ソフトとハード面でパワーアップ!という感じでまさにナイス・コンビネーションです。

話は最後に脱線しましたが、DRAM SSDとFlash SSDの違いはご理解いただけましたでしょうか?

ちなみに私はFlash SSDを否定しているわけではありません。
こういったものは適所適材で使用すればよいと思います。
ReadとシーケンシャルなWriteで書き込み回数制限が気にならないような使い方であれば、全く問題ないと思います。それに、Flash SSDの書き込み回数制限もそれほど少ないわけではないですし・・・。(←ここはいろいろと反論があるかもしれませんが)

そういう弊社もFlash SSD系の製品を発表しますしね。
その発表会は下記です。11月13日金曜日の大安に開催します。

新製品発表会のご案内はこちらです。
http://www.cmsinc.co.jp/seminar/20091113.html

それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

ご参考までに、後日、「オラクルと富士通のフラッシュ技術活用によるデータベース高速化を共同検証について思うこと」というタイトルで投稿をしました。こちらもご覧ください。

半導体ストレージの事例については以下をご覧ください。                  
http://www.cmsinc.co.jp/casestudy/index.html

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