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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

一流と二流

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結婚して11年目になる私ですが、結婚当初に妻に言われた言葉で今も覚えている言葉があります。

妻「パパ、一流と二流の違いはわかる?」
私「もって生まれた才能かな」(よく覚えていませんが、こんな回答をしたように思います)
妻「一流の人間はその日やら無ければならないことを、やり続けられる人の事を言うのよ」

妻は学生時代に合気道の全日本選手権で優勝しており、その「差」を知っていたのだと思います。

「その日やら無ければならないことをやり続けることができる」

この簡単な一言は、目標をチョッと高く置いた瞬間に結構難しくなると思います。

特にベンチャービジネスの話になるとなおさらです。

人間は誰もが寝なくてはいけなく、そして時間は限られています。

お客様にとってその会社の内情(人材不足など)やキーマンの寝不足などはまったくお構い無しで、その会社が提供するサービスにお客様が満足するかしないかしかそこには存在しません。

一方、そのサービスを提供している会社には有限のものしか内在しません。

時間、資金、人材パワーなどなど全てのリソースは有限です。

ベンチャー企業は大企業と比べてそのリソースは非常に少なく、ベンチャービジネスの成功可否はそのリソースの有効活用にかかっていると言っても過言ではないと考えています。

時間は増やしようが無く、資金は自己資本比率を考えればある程度までしか増やせません。
そう考えれば、人材パワーに目がいくのですが、これがなかなか難しいようです。

人数を単純に増やせば、食い扶持が増えるので、赤字になります。
よって、人数は適正な人数を維持しつつ、個々の人材の稼動効率を向上させるような動きになるはずです。個々の人材の活動量を増やす為には「モチベーション」を上げれば済みます。

モチベーションの向上のために個人のやりたい方向を尊重すれば、個々がバラバラのことを考え、バラバラに動き、モチベーションは一時的に上がりますが、会社全体としての活動量は落ちます。

個人のやりたいことを封じ込めて、無理やり会社のビジョンに合わさせようとすれば、個人のモチベーションが落ち、これも会社全体としての活動量は落ちます。

では、とるべき道は何かと言えば、それは会社のビジョンと社員の接点を如何に見出し、それをしっかり伝えきることであると私は信じています。これなくしては、絶対に上手くいきません。

このビジョンとは何か?と言えば、私は二つを挙げます。

1)目標達成時の会社と市場のイメージ
2)1)を実現する為の具体的な手段、手順のイメージ

1)は持って当然の事象ですが、2)が意外と存在しません。
この2)が無いと、社員は1)を信じることが出来ず、モチベーションが上がりません。また、そもそも社員自身がどの部分で活躍するかが見えないため、モチベーションが上がりにくいのが実情です。

では、この2)をどうやって確立するかですが、最初の一歩としては、次の一言に集約されると考えています。

「製造・販売・経営のプロフェッショナルをそれぞれ3人用意すること」

私はこれに尽きると思います。

2)をしっかり打ち出す為には、それぞれの分野を良く知り、経験もある人材を集める必要があります。そもそもその分野を知らなくては、2)をしっかり打ち出すことは極めて難しいです。

「ものを作る(仕入れる)」、「販売する」、「健全な経営をする」ことで企業は運営され、成長します。つまり、この3つが2)の根幹なのです。営業系の会社であろうと、技術系の会社であろうと、企業運営をする上で、この3つの確立は必須です。

「うちの会社は、なんかうまくいっていないなぁ」

と思う方は、是非、この3つをイメージしてください。
おそらく、この3つのうちどれかが足りないはずです。

この3つの事象はVCなどの投資家では当たり前のこととして存在しています。これから会社を興そうとしている方は、人を集める時に是非このことを考えてみてください。

この3つは、会社を一流にも二流にもしますが、社員を一流にも二流にもする非常に重要な事象であると信じています。

どうせ目指すなら一流を実現したいものです。

私も頑張ります。

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