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システム開発のhow to doとwhat to do

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サイボウズさんがJavaScriptを排除してGUIからゴリゴリとアプリを作れますみたいな催しをされているとのことです。JavaScript禁止という言い回しはなかなか刺激的ですね。

【JavaScript使用禁止!】ノンプログラミングで、ここまで出来るkintone! | kintone hive online

一方でまた米国ではプログラミングなどを含めたコンピュータサイエンスの教育に40億ドルを投資するとのことです。

オバマ大統領、コンピュータ科学教育普及に向けた40億ドルの支援策を発表 - ITmedia ニュース

私がパソコン部に在籍していた時にはその集団はスポーツやらずにプログラムを作るというオタクの巣窟みたいなイメージが色濃かった時代でしたが、今の小学校にあるパソコン部はそういう成分が薄まっています。むしろマイクラができるというので人気があり、その中でPCを使いこなせる少年少女は一定の尊敬を集めているようです。そういった流れがあるんだなとしみじみと思いました。

プログラムというのは単純化すると命題(question)をcodeで解決することではあるのですが、それが金利の計算などが目的なら極めて簡単です。ところが世の中の何らかの問題をプログラムで解決するというのはなかなか難しいものです。プログラムによって極めて効率的に処理される数々のquestionはどういった課題(issue)を解消していくのかを考えなくてはなりません。そしてそのissueはだいたいは「仕様書」に連動して設定されているに過ぎず、その仕様書が書かれた背景にある経営課題や社会問題というproblemに直結していればよいですが、必ずしも一致しておらず日経BPさんのいうところの「動かないコンピューター」と同じように、仕様通りにできているし稼働しているけど目的が達成されないということも少なくないかと思います。(そのときプログラマには責任はありません)

例えば金利の計算は条件さえ適切であれば簡単ですが、当然ながら「どの金融商品が一番利息が有利かわからない」というproblemに照らしてみると比較条件が明らかでないと答えが出ません。そこには「人生の見通しが難しい」みたいなissueやらproblemやらがごっちゃになってひも付きます。それにほんとうの意味で答えられるのは宗教家とかカウンセラーみたいな人しかいないでしょう。それは無理なので何らかの仮定に基づくその人の今後の人生設計モデルみたいなものを作ることができたとしたら、きっと適切な金利シミュレータができるはずです。とはいえ肝心なところが仮定に基づいているので、途中でサラリーマン辞めたくなったみたいな軌道修正が起きてしまうと何じゃそりゃという話になってしまいます。(そのときプログラマには責任はありません)

プログラムで本当に人を幸せにしようとしたらプログラムのスキルを極めるのと同じようにその使いみちについても勉強し、「こういうことに使いたいんだけど」という相談について適切な回答をできるように成長するという方向も検討していかなくてはならないかと思います。あるいは上流の設計者側がプログラムというものの特性について十分に知っている必要があるでしょう。この辺のテーマは言い尽くされてきた両者のすれ違いの歴史であるかと思います。

何やら得意なわけではないのに英語ばかりになってしまいますがcodeを書くことをhow to doだとしたら、何をすべきかというのを明らかにするのはwhat to doであるかと思います。codeを書いたりGUIからアプリを設計したりというのがhow to doだとして、それはどうやら技術的には今後も加速的に簡単なことになっていくのではないかと感じます。もっとも、その裏側の簡単にするための仕掛け作りには今よりも高度に技術的に優れた人々が基盤を作り続けるのでしょう。

how to doが簡単になり、プログラムの詳しいことまでは知らないけれども現実ビジネスに造形が深くissueやproblemの設定なら自信があるよっていう人がもっとwhat to doについて考える時間を増やし、ITを活用できるようになればそれは素晴らしい世の中になるんではないかと思います。そして明らかに時代はその方向に進んでいそうです。その中にあって無理にITでやらなくてもいいことと、ITがやると極めて効果が出やすいことの線引は今後も課題として残りやすいかもしれません。確かにITがやると効率的だけど人間がやってもいいよね、曖昧さが必要なんだから、というのはよく聞く話です。そればかりは社会全体で経験値を積まねばならないのかもしれません。あるいは脳内神経伝達物質の量をダイレクトにシステムにインプットしてそれすらあやまたずに機械的に判断してもらうというのも一案かと思います。

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