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2015年の流行語は”ガバガバガバナンス”でどうでしょう

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いろいろな問題が明るみとなっています。特に1つの業界だけに集中してというわけではなく様々な業界で起きているということで何らか共通の原因があるのかもしれませんしたまたまなのかもしれません。

ひとつ感じるのは情報処理の問題なのかもしれないという感覚です。意思決定のスピードを早めるために従来型のピラミッドの組織を人数ですとか形態の面で変えることなく、末端の側をIT化するとどうなるでしょうか?あらゆる業界で当てはまることではないかもしれませんが、おそらく末端のスピードは3倍とか5倍とかヘタしたら10倍というスピードになると思います。従来のITは基幹システムの整備のようなところが中心でしたので、現場が頑張って働いても17時に帰社して伝票から端末にその結果を打ち込み直すような形態が多かったのではないでしょうか?それにより工場と倉庫、倉庫と現場といったビジネスエンティティ間の接続のスピードは大幅に改善したことと思います。

しかしながら折しもiPad Proが発売となったタイミングですが、現場の働き方そのものが改善し高速化してきていることの危うさも感じます。例えば上で書いたように今まで日単位だった現場が時間単位で物事を進めるようになるかもしれません。家に帰ってやっぱりまずいなと思い直すこともなく、これなんとなく間違った指示のような気がするから明日の朝にもう一度確認しようとか、そういった区切りがなくなってしまうような気がします。もちろんそれを踏まえてガバナンスの整備をし直していれば問題ないのですが、なかなかそういったことは難しいでしょう。今までのどおりのルールはそのままにセキュリティ面だけ整備してひとまずタブレットを入れてみましょうという感じの現場も多いと思います。

現場は高速化ができてもそれらを統合した情報量が上司やミドルオフィス、バックオフィス部隊にとって処理しきれるスループットではなくなってきている問題があるように思います。定型的な処理であればチェックを自動化して本来注目すべき事項に注目するという構造が作れれば良いと思います。しかし自動運転で事故をした場合にメーカーの責任か運転者の責任かという議論があるように、機械のミスも人間のミスに帰することは間違いありません。ある会社で処理しきれるビジネスの量は例外的な意思決定も含めて良否を判断するリソースがボトルネックになるのではないかと思います。

例えていうと飛行機によって都市と都市の行き来は非常に便利になりましたが疫病の発生後72時間位で数か国あるいは数十カ国にそれが広まってしまうというような現象に似ているかもしれません。もし対応不能な疫病が世界的に発生してしまったならば、恐ろしくて行き来のスピードを上げられなくなり、検疫体制や病院のベッド数が人の往来に影響してしまうでしょうか。企業で言えば営業担当者に電子カタログとメール・グループウェアとその場で在庫照会をして受注伝票にサインを貰えば発送指示までできてしまうシステムがあったとしても実際に社内の状況を確認して受注OKを出す判断がどれほど高速化できるだろうかという疑問に通じるものを感じます。

もっとも、最近かなり大きな話題になっている杭打ちの偽装問題ではそういった情報処理の高度化という問題ではなく、逆に紙の記録表をコピーして張り替えたことが発覚したということです。これ自体は古い記録であっても追跡可能であり実際に追跡したということで半分は悪い話なのですが、半分は記録書類を残し整理してトレース可能にしていたこと自体は悪くなかったという面もあるように思います。最近の高度に整備された社内システムが10年後にトレースできるか?と言われるとログが残っているか?テープが読めるか?IDだけ残っているけど氏名とマッチングさせられるか?当時の内規では誰が決裁権者だったのかわかるか?などなど色々と気になる点もあります。スマートデバイスや人工知能など気になるテーマも多いですが、そもそも普通の会社でも全社員にメールアドレスを付与するのが一般化し一気にIT化が進んだのは10年15年といったところです。そして標的型攻撃やマルウェアといった話題も恐ろしいですが、今すでに築いたシステムやワークスタイルがどれくらいガバガバでどれくらいきちんとしているか、誰かが足元を固めていく必要もあると思います。

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