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2014年もまた見えない戦いへ

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2013年はブラック企業というキーワードが注目を集めました。私が就職活動をしていた10年前からあった言葉です。当時ブラック企業として警戒されていた企業として記憶にあるところは今もまだ存続中ですのでブラック企業だという噂が立ったからといって存続不可能になるというわけでもないようです。とはいえ、ブラック企業大賞なるものが生まれて求人に影響が出るようになれば企業の存続が危うくなるかもしれませんのでそこのところは今後の就職活動生や、ブラック企業に就職して後悔する社員・元社員の草の根の活動次第なのでしょう。

一方で国によるブラック企業の認定という動きも始まっているようです。これについてはここからはブラック企業という基準を作ることになると思いますが、それが社員の実感と一致したものでないと意味のないものになってしまうでしょう。ブラック企業がブラック認定を回避するために外部の有識者を招いて対策を行うということも十分に考えられます。そうなってくるとやはり2chの生の声を聞くしかないように思います。ちなみに2chには社員自らだけでなくてOB訪問で同業に就職した先輩から聞いた「あの企業」の実態というような情報も含まれていますので、なかなか信頼性は高いようにも思いますし、学生が妄想でいろいろと膨らませてしまっているような部分もあるようです。

それはさておき本題ですが、2013年末ということで来年2014年の豊富として、「見えない戦い」を続けていきたいと思っています。ちなみにブラック企業というのは例えでして、私は労務関係を仕事にしているわけではありません。が、わかりやすいのでそのような言葉を使います。見える戦いというのは例えばブラック企業のA社を訴えるなり雑誌にたれこむなりしてブラックでないようにすることですね。

一方で見えない戦いというのはブラック企業は良くないですよ!ということを広く狭くに啓蒙したりして誕生を防止したり、直接的に働きかけていないところにもじわじわと影響して改善に向かってもらうことです。そのように自分で考えているだけですので一般的な定義ではありません。なぜそのように考えるかというと、世の中には「車が来ない歩行者用の赤信号は何車線なら渡ってしまうか?」や「制限速度は何キロまでオーバーするか?」みたいな悪いことの相場観があるからです。一社ずつの各個撃破では確実にその会社を良くすることはできますが、この相場観を動かすには至りません。一方でブログやニュースサイトを通じた情報発信というものは確実性には劣りますが、この相場観を動かす力を持っています。

一社ずつのほうは職務としてお客様からは報酬を、勤め先からは給与をいただいてやることですので、twitterやメールを通じてプライベートでもやるというわけにはいきません。しかし後者の方はそれで儲かるかというとそうでもなく、職務とバッティングしないラインを見極めつつやっていくのが良いのではないかと思います。

さてこの「相場観」というのは非常に重要です。というのも、制限速度時速60キロメートルの道を60キロで走っているとパッシングされたりという経験が誰しもあるように、正直者が馬鹿を見るようなところが世の中には若干あるからです。行政というのはマスコミに叩かれて無能の権化のように思われるところがありますが、先輩たちから脈々と受け継がれた情報と、海外も含めた相当に幅広い情報源から集まる最新の情報、それも公務員の守秘義務に守られていますし時には強制力を持って調べることもできる場合もありますので、どんなところも本当に良く情報を持っていると思います。そうしたところが作った規制はやはり守らなくてはなりません。そして規制を守るには多くの場合コストがかかります。企業同士は市場において競争をしていますので、規制を守っていないことがバレないようにコストを負担せずにやり抜くことは優位になります。そうした企業がいると、まじめに規制を守る企業を差し置いて、そうでない企業が市場で優位になり増長してしまうのです。放置すると規制を守る企業が淘汰され、規制を守らない企業ばかりになってしまいます。例えば(下道で)60キロしか出さない運送業者と80キロまで出す業者がいたとしたら80キロのほうが多くの荷物を配ることが可能で優位になってしまいます。もちろん確率的に事故の可能性が高まって優位にならない可能性もありますが。ブラック企業が潰れないのは人件費が安いので他社よりも体力があるんですね。きっと。

冗長になってしまいましたが、言いたかったことは規制をかいくぐる企業は世間の目がどうのこうのというよりも、本質的に競争優位に立ちやすく、それでのさばってしまいやすいという性質があるということです。ですので、行政サイドは本職の方に任せるとして、まずはルールの認知を広げ、そして深めることをしていきたいです。そして、何か新しい話題があったら本格的に商売の芽が出る前くらいのタイミングで「これって今のルール上あり?なし?」みたいなところを問題提起していく、そのような活動には力を入れたいですね。これが結構重要でして、まずいかもしれないと考える人はgoogleに聞いてみるという法則があるようでして、何もなければOKと考えるようです。それよりも早く「危ないかもしれない」という情報をあげておくと、無視して進むのはとても難しくなるのですね。ということで早くbitcoinにツッコミ入れろよという声は無視して来年も宜しくお願い致します。

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