自動販売機の補充の方から「ありがとうございます」と言われて思ったこと。
先日、会社の自動販売機で飲み物を買おうとしたら補充の方が作業中でした。私が財布を手に持ったまま「あ」という顔をしていると、結構離れた距離から補充の方が「どうぞ」と扉を閉めてくださいました。
私は「すみませんね」と言いつつそそくさと自販機のボタンを押しました。すると補充の方が取り出し口からペットボトルを手渡して「ありがとうございます」と言ってくれました。
補充の方がどのように仕事をしているのか、そんなことを考えながら自席に戻りました。
ボトルカーで半径何キロかに置いてある自販機を巡回し飲料の補充と売上の回収をする毎日とすれば、ともすると自販機を相手に「飲料を補充する」という仕事をしている気持ちになってしまうかもしれません。しかし「ありがとうございます」の一言から、補充の方は「飲料を売ること」に忠実に仕事をなさっているのかな、と思いました。
「飲料を補充する」で仕事をしていたら、例えば品揃えも季節の売れ筋に関する本部マニュアルのようなものに沿って適当に済ませてしまうかもしれません。しかし「飲料を売る」という気持ちでいれば自分の日々の暑さ寒さや自販機が置かれているビルの雰囲気や売れ行き等に合わせて色々と工夫が生まれそうです。
情報システムに関する仕事ではもっとも消費者に近いところといえば、楽天やAmazon等に見られるBtoCのネット商売か、店舗の表側に近い部分で店員さんを支援するシステムといったところでしょうか。それと比べれば人事労務会計生産と裏方のシステムのほうが遥かにボリュームが大きく、従事しているIT技術者も多いように思います。
例え裏方のシステムであっても効率化によって最終的にはお客様のお客様に良い物・サービスを届けるのだ、という思いを持ち続けることはなかなか難しいものだなと思いました。