ブロガーミーティングでIBM様よりLotusLiveを紹介いただきました。

Web会議や掲示板などのコミュニケーション基盤をインターネット上に構築することで、特に企業間のコラボレーションなどに活用できるとのこです。紹介いただいたのは

  • LotusLive Meetings(Web会議)
  • LotusLive Connections(ファイル共有やタスク管理)
  • LotusLive iNotes(メールとスケジュール)

のあたり。私の感覚からすると、企業間のコラボレーションでは互いに利用しあうITインフラを用意するとなるとちょうどよい基盤がたまたま存在しているということは少なく、ではどっちが持ち出すかという話になると決定に至らずに既存資産ということでメールで巨大な添付ファイルを送り合うという不毛な結論に達することがあろうかと思います。そういった場合にお互いの費用はお互いで精算しやすいLotusLiveのようなプラットフォームがあると非常にやりやすいのではないか、そのように思いました。

多くの大企業ではLotus Notes/Dominoの資産が運用され続けていることと思います。個人的には、自社で運用する技術と体力のある企業にとっては無理な移行をするよりもNotesの移行を続けるほうがいいように思います。また、Notesの持つDBを簡単に作ることができる=スモールスタートに強いという特性は、大企業にとって対抗馬であるチャレンジャー企業に対して同じサービスを迅速に投入してスケールメリットでつぶすという戦略を支えるのに非常に向いています。確かにメールやスケジュールだけ見ると低コストなSaaSに移行したいという思いも浮かぶかもしれませんが、これと思った新システムをざっくりとでもいいから早く安く作りたいという要求にはNotesに一日の長があるでしょう。

一方で様々な発展レベルの国に拠点を抱えるグローバル企業に対してそれをやろうと思うと、Notesクライアント配布やIDファイル配布やDBの署名といった問題をクリアしなくてはなりません。それならば一極集中しやすいインターネット越しのサービスのほうが向いています。また中小規模の会社にとってはNotesであるかどうかは別として運用から開放されるためにインターネット越しに運用を委託できるサービスが欲しい会社も多いでしょう。そういった会社で今Notesを使用しているところはIBM以外のサービスに乗り換えて行ってしまうかもしれませんので、LotusLiveはそれを食い止めるという性格もあるのかもしれません。

一連の説明を聞き、私が思ったのは個人向けのビジネスプラットフォームとしてのLotusLiveがあったら喜ぶ人がおおいのではないか、ということです。会議あり、成果物置き場あり、コミュニケーション基盤あり、タスク管理あり、と欲しい機能は一通り揃っています。完全なフリーランスも、企業に属しつつ許される範囲での個人的活動をしている人も、今現在はブログや個人サイトなどをプラットフォームにして活動するのが普通です。コミュニケーションの手段がtwitterにぐっと集まったように、そういった活動の場所がLotusLiveに集まるようなことがあればどうでしょうか。誰かに仕事をお願いしたいことあがればLotusLiveから探し、自分が働いた成果はLotusLiveに置き、それが印刷物や運搬を伴う納品といった仕事であればLotusLiveにサービス連携しているパートナー企業を利用し、自分にない技術が必要になった場合はLotusLiveから探す、という生態系が生まれるように思います。

mixiやFacebookといった巨大SNSがそういった役割を果すことも考えられますが、既存の私的な人間関係が持ち込まれてしまっている以上、LotusLiveのように個人から切り離された空間のほうが仕事はしやすいでしょう。また、プロボノと言われるように企業に属しつつ私的な社会貢献活動をしたいというような人は、会社に対して「利益相反になるようなことをしていません。」ということを示しつつ、「社会への貢献活動はこのような成果となりました」ということも示していきたいということがあるでしょう。そういった面で会社と社員の間で私的な活動の状況を簡単に共有する基盤が存在すれば、社員側も安心してボランティアやブログの執筆活動に取り組めるのではないかと思います。

反対に、企業を相手とするならばその他SaaSと比較して決定的な優位点は感じられませんでした。もし既存のNotesDB(nsf)を活用しやすいような道があるのであれば非常に大きいと思いますが、それがまったく考慮されないということであれば、ライバルと果てない価格競争に巻き込まれる事になりますし、またNotesからリフレッシュしたい(Notesに従事するシステム部門メンバーを整理したい)という面から逆境に立たされてしまうということもあるかもしれません。

人が集まるところに金が集まるというのがインターネットを支配する法則の一つでもありますので、マネタイズのことはひとまず置いておいて個人向けにもプラットフォームを開放していくというのがおもしろいのではないかと思います。

IBMの皆様(と元Lotus関係者の3名様)、本日はありがとうございました。

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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