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Microsoft Developer Forum 2009に行ってきました

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スティーブ・バルマーCEOの

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は既に色々なところで取り上げられています。Microsoftの催し物はいつも帰るときに前向きな気分になることができるので好きです。昨日も明るい気分で会場を後にすることができました。twitterではスティーブ・バルマー氏が話している時の壇上の熱さと聴衆の静かさの違いが日本的だ、というようなtweetが投稿されていました。確かにセッションの最中はその通りだったのですが、いざセッションが終わるとどっと会場が賑やかになりました。多くの人が刺激を受け、自分の思いを誰かに話したくなった、そんなように感じました。

もうひとつMicrosoftのセミナーで楽しみにしていることが大場執行役を見ることです。今回のセッションでは事前に参加者から質問を受け付けており、その中のいくつかが大場氏からスティーブ・バルマー氏に投げかけられました。スティーブ・バルマー氏がそれに答えた後、ほんの数フレーズなのですが大場氏がそれに対するコメントを言います。そのコメントがものすごく良かったです。スティーブ・バルマー氏の回答がぼやけるほど強い主張でなく、かといって適当でもなく、大場氏自身の意志も感じられ、MSKKの意向でもあり、MSの方向性との一体感もある。どうやったらあんなコメントが出せるのか考えてしまいました。その様子はこちらからストリーミングされているそうなので(期間は期限:2009年12月25日(金)まで。要Sliverlight)、私が何に感動したか知りたい方はご覧ください。

今回のセミナーを通じて感じたことは、ITの世界では技術者がいなくては何もできないということです。Googleのように何らかの用途に特化するならば少人数の技術者さえ確保すれば戦っていけるかもしれません。しかしそれはITの世界のごく一部の世界でしかありません。Googleの2008年の売り上げは通年で2兆円を超えましたが、日本でもっとも大きいSIerであるNTTデータの売り上げは1兆円を超えています。これから世界の国々がもっとシステム化を進めていくことを考えれば、相当に大きなビジネスチャンスが存在します。しかも日本でさえ、システムがPCから開放され、iPhone、テレビ、Kindle、デジタルサイネージなど様々な情報プラットフォームが増えてきています。

今回のセミナーでもセンサーを搭載したグローブを両手にはめ、空中で両手の指を動かすことでピアノを弾くというデモが披露されました。今後ますます多様性を増す市場でIT企業が存在感を持つためには、少数精鋭の技術者というよりは多種多様な技術者を集められることが必要ではないかと思います。技術者がそれまで生きてきた中で身につけた驚き、感動、喜びを製品で表現する、といったら大げさかもしれませんが、それこそがエクスペリエンスなのではないでしょうか。

そのように考えると、Microsoftとオープンソースコミュニティとの距離感が以前よりも近くなってきているように感じるのは気のせいではないかもしれません。反対に、エクスペリエンスの向上というところでWPF/Silverlightを押しているところは、システムの中心がPCから離れる過程で「見せる」分野で強いあの会社が派手な動きを見せることに対する警戒感があるとも予想できます。(念のため強調しますが個人的な意見です)一言でまとめるとこんな感じでしょうか。

「技術者は城、技術者は石垣、技術者は堀。OSSは味方、Adobeは敵なり」

また来年のディベロッパーフォーラムを楽しみにしています。

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