オルタナティブ・ブログ > 一般システムエンジニアの刻苦勉励 >

身の周りのおもしろおかしい事を探す日々。ITを中心に。

MicrosoftのT-MobileだけじゃなくてNokiaのOviもユーザーデータ消失

»

クラウドのデメリットとしてこれほど「待ってました」という事例なのでしょう、Microsoft傘下のDangerが運営する携帯向けクラウドサービスで、ユーザーデータが消失したそうです。

http://plusd.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0910/13/news079.html

MicrosoftのT-Mobile向けクラウドでユーザーデータ消失 - ITmedia エンタープライズ via kwout

はてなブックマーク livedoor クリップ Yahoo! ブックマーク

これは新しい、と思いきや2009年2月にまったく同じようなニュースがありました。Doblogではありません。

Nokiaの提供するOviというサービスがクラッシュし、ユーザデータ3週間分をロストしてしまったというものです。

Nokia Ovi crash results in three weeks of lost user data

Nokia OVI Crash Illustrates Potential Danger of Cloud Computing

Apparently Nokia isn't, who managed to lose a full 3 weeks of user data on its Ovi service. Any updates made to profiles, images uploaded, and friendships added since January 23 have been wiped out and it doesn't appear any of that data wll be coming back.

3週間分のプロフィール、画像、フレンドシップ(twitterのフォロワーみたいなもの?)が消えました

こちらの件は夏ごろにクラウドコンピューティングに関する調べものをした際にキャッチしておりました。しかし私自身およびまわりにOviというサービスの利用者がいなかったため調べてから紹介しようと思いつつすっかり忘れていたものです。データは消えたら終わりですが記憶はよみがえるものですね!というごまかしはさておき。

今回のT-Mobileの一件とOviの件は携帯端末+ネットワーク上のデータという構成の点で似ています。PCと異なり、携帯端末ではバックアップが取りづらかったのではないか、と予想しています。

同様にクラウドサービスではベンダーのロックインが発生しやすいとも言われます。インターネット越しにアクセスするというネットワーク特性によりバックアップ時間が長くかかってしまうという性質上の問題から、作戦としてロックインを狙っているのでは、という戦略上の問題まで考えられます。

実際のところ、企業はデータの保護にはかなりの金額を投じる傾向を感じています。アップデートにより最新の機能を手に入れるよりも、現行のバージョンを安定稼動させるため(バージョンアップによる不具合を回避するため)にアップデートをしたくないという意見を聞くことも珍しくありません。

であれば最初からオープンな形でバックアップが取得できるクラウドサービスは多少高くても好まれるでしょうし、これまでもオープン(マルチプラットフォーム、etc...)であることの安心感を武器に伸びてきた技術は少なくありません。

更に言えばロックインを武器に顧客の保護をしたところで、哀れにロックインにはまってしまう技術力の低いところばかり集まってしまい自社に対する利用者の意見が参考にならなくなるばかりか、技術力が高いパワーユーザは他社のサービスに流れてしまい見向きされないというような未来も考えられます。

やはりIT技術の進展の歴史を考えると、成長の王道は競争の激しいところに自ら飛び込むことではないかと思います。

Comment(0)