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後期高齢者がダメなら超高齢者なんてもっとダメですね……

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人間の一生はいくつかのステージにわけることができます。いくつものわけ方がありますが、後期高齢者というのもひとつのわけ方です。

多くの場合では高齢者というと65歳以上の人々を指します。英語でいうとoldです。この高齢者を2つにわけると前期高齢者と後期高齢者に分かれます。その分かれ目が65歳から74歳と、75歳以上にあります。これらはそれぞれyoung-oldとold-oldと言われます。また、英語版wikipediaのAgingという項目ではyoung old, middle old, oldest oldというわけ方もありました。oldest old……。oldでもolderでもなくoldestなお年寄りとはどんなお年寄りを想像すれば良いのでしょうか。英語はものの言い方がはっきりしていてすごいですね。

Differences are sometimes made between populations of children;divisions are sometimes made between the young old (65-74), the middle old (75-84) and the oldest old (those aged 85 and above).

このたび、後期高齢者医療制度の呼称が長寿医療制度に変更となるようです。ニュースによれば「後期高齢者では未来がない」ですとか「暗い」という批判があったそうです。海外で導入したらold-oldなんたらという制度になるのでしょうが、日本人の感覚からするとold-oldというのは否定的な印象を受けます。young-oldというのも何を言っているのかよくわからないように感じます。海の向こうもお年寄りの扱いには苦慮しているのかもしれません。

この前期と後期のわけ方が最初にどこから始まったのかはわかりませんが、医療関係の統計では75歳を境目に高齢者をわける事が多い事が関係しているようです。(wikipediaの高齢者のページにはWHOの定義によるとありましたがソースを発見できませんでした)素人の意見ですが、確かに75歳あたりを境にしてお年寄りっぽさが増すような気がします。75歳を過ぎると見た目には年齢がわからなくなるような。80歳と90歳の見分けはなかなかつきません。

この後期高齢者を更に分割すると「超高齢者」という言葉が出てきます。英語で言うとvery-oldやoldest-oldになるわけですが、85歳以上の人(80歳以上の場合もあり)を表します。こちらの呼称を「超サイヤ人みたいでかっこいい」と前向きに受け止めるご老人がいるとも思えませんが、超弩級の超ならピンと来る方がおられるかもしれません。(奇しくもドレッドノート級の戦艦はちょうど85年前くらいに活躍したようですが)

このような呼称の工夫としては、このたび後期高齢者制度もとい長寿医療制度が始まる前の「老人保健制度」というのは良い名称でした。老人「保険」ではなく老人「保健」であるところにこだわりを感じます。単なる保険制度ではなく健康を保っていくんだ、という思いが感じられます。いかに保険で支えられた厚い治療を受けられようとも、健康な生活を送れなくては楽しくないですからね。

old-oldと言ってしまえばそれで終わりの英語と違って日本語のおもしろくもあり、難しくもある点がクローズアップされるような問題ですが、どうか長生きする制度であって欲しいと思います。

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