人事面談で「子猫ちゃんあげます」状態になる罠
人事面談で「どこでも良いので違う部署に行きたいです」と言っていないでしょうか。
3月末が年度末の会社では今頃から来月初にかけて人事面談が行われていることかと思います。一般的には今年の目標と実績をまとめ、反省点を反省し、来年度の目標あたりが主な話題となりますが、あわせて異動に関する希望を言いやすい(もしくは必ず異動希望の有無を申告しなくてはならない)場面でもあります。
そこでよくありがちなのが「どこでも良いので違う部署に行きたいです」という要望です。その根源にあるのは今の仕事から得るものが少なくなってきたので新しい事を覚えたい、という前向きな思いだったり、今の仕事が嫌だからもう離れたいという後ろ向きな思いだったりすると思いますが、どこでも良いと言ってしまうのはあまり良くないことであるように思います。
こういった要望まで素直に受け止めていると会社内に受け入れ先募集中の要請が溢れてしまいそうです。「私は将来セキュリティ専門の技術者になりたいため、その足がかりとして公開鍵認証基盤の運用を行っている●●部に異動したいです」とでも言えればその部の人員配置と相談して決めることもできるでしょう。しかしながら「子猫ちゃんあげます。誰かもらってください。」という状態の人がたくさん出てきても人事部も上司も困ってしまうのではないでしょうか。特に本人がどんな事もやりたいのかが明確でないのに「うちにおいで」ともらってくれるような部署は少ないでしょう。極端に人手が足りていないというような裏事情があるやもしれません。
とは言え、目の前の仕事におもしろみを感じていないということは事実ですので、ぐっと飲み込むことは不自然なことであると思います。そういったときは同期の繋がりや、他の部署に異動していった先輩とのコネを活かしてどこにおもしろそうな話が転がっているか調べてみるのが良さそうです。それでもいまいちピンと来ない場合は上司に「今の仕事がおもしろくありません」と相談してみるという流れではないでしょうか。そうすればひとまずは部署内で配置替えをしてもらえたり、おもしろそうな話が転がっていそうなコンベンションや研修に行かせてもらえることがあるかもしれません。
ただしこの業界にはうつ(鬱)になる方が多いです。そのため、そんなことをカミングアウトしようものなら即座に心の相談110番にコールコールという可能性も否定できません。(しかし鬱が疑われる場合は早めの受診が一番だそうですので間違いではなさそうです。)「おもしろくない」の原因が心の病気である可能性もゼロではありません。自分ではそうと気づかないこともあるでしょうから自己診断せずに専門家の意見を聞いてみるのも一案かと思います。