コンカチ?ポンチ?トルツメ?
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どこの業界でも業界用語や隠語と呼ばれるものが使われていることだと思います。それらはどこかかっこつけているような響きのある言葉が多く、「ふふん。何を言っているかわかるまい」というようなオーラを醸し出します。特にIT業界ではCGMやSaaSやSNSといった英語の略称がよく使われるため、何を言っているかわからない人を見かけることもあります。ただし、あまり垢抜けない響きを伴った隠語もあります。思いつくものを集めてみました。
- コンカチ⇒concatenateから来た表現で、文字列を結合することです。ファイルとファイルを合体させることにも使います。
- ポンチ⇒ポンチ絵とも言われるもので、細かい事は抜きにしたイメージを表現する図です。お客様から「ポンチ絵でいいから書いて持ってきて」と言われたら、先方がやる気で受注確度が高いか、自分の話が要領を得ていないかのどちらかです。
- トルツメ⇒文字通り取って詰めること。画面の設計などを煮詰めている時に「トルママ?」「いや、トルツメで」というように使います。トルママは取って詰めないことです。
- デフォ⇒デフォルトすなわち規定値の意味。よってデフォゲ⇒デフォルトゲートウェイです。転じて、「当然のように」というようなニュアンスでも使われることもあります。あそこの居酒屋のビールはデフォルトでまずい、など。
- コンパネ⇒コントロールパネル(ただし建設業界ではコンクリートパネル)
- ループる/ループってる⇒プログラムが無限ループに陥る事。プログラムには必ず始まりと終わりがありますが、終わる条件の無いプログラムを書いて実行してしまったら無限ループという状態になります。そういえば、マトリックス3の中でオラクルとエージェント・スミスが「始まりがあるものには、全て終わりがある・・・」と言っていました。
- ハングる/ハングってる⇒プログラムが応答しなくなる事です。主に無限ループが原因です。hang upが語源みたいです。これは首吊りをする、という意味で使われているのでしょうか。受験単語でhang upというと電話の受話器を置く、という意味でしたね。
- バカハブ⇒ネットワーク機器のHUB装置のうち、スイッチング機能がついていないHUBのことです。比嘉中の平古場とは関係ありません。
- 殺す⇒コメントアウトしておくこと。⇒プログラムの一部分を無効化すること。削除してしまうと元がどうなっていたのかわからなくなるため、人間は読めるけどコンピュータが読めない状態にする。
- 吐く⇒出ること。画面上にエラーが出たり、プリンターから紙が出たり、ログファイルを作ったりする事など。学生の時は本当に吐く事をリバースと言ったりしました。駆けつけ3杯で吐いてしまう事を即リバと略したりも。
- バッチ処理⇒あるデータが到着したときにすぐ処理するのではなく、ある程度たまってから処理する事。毎日(デイリー)だったり、毎週だったり(ウィークリー)、決められた時間に処理をする。「交通費の清算はせめてマンスリーくらいのバッチ処理にできんかね?」というように、仕事を溜め込んでしまう人に対しても使うことも。反対語はリアルタイム処理。
- マ・ム⇒書類の中でPGとだけ書かれていたときに、プログラマさんの事なのかプログラムの事なのかわからない事がある。そのときに「これ、マ?」「いや、ム」という会話になることがある。
- PJT,PRJ,PT,PJ⇒全部プロジェクトの略。PJTとPTの場合は概念的なプロジェクトの意味ではなく、”プロジェクトチーム”の略として使うこともある。(PJTはトラパパさんのエントリで見つけました。)
- M⇒100万円のこと。ついうっかり”1万円”として使ってしまうのは私だけでしょうか。
と、いうようにトルツメのように便利に使える言葉、コンカチのような略称、殺すのような隠語などがあるようです。プロ集団の中で隠語が好まれる理由は仲間意識を強めるとかそういう文化的背景があるのだと思います。こういった隠語がたくさんあることのメリットは、相手の経験を感じ取れることではないでしょうか。
こっからここまでトルツメしたら、パワポで書いたポンチ絵とコンカチしてPDFに吐いといて。
と、言う会話が通じたら、相手の人はこの業界の経験があるんなと思います。(私はこんな言葉遣いはしませんが。)その上でお互いに話をすれば、専門用語などをどんどん使って、効率的な意思疎通ができるのではないでしょうか。反対に通じない場合は、あまり専門的な言葉を使わないで丁寧に説明すれば良いと思います。これってまるでオートネゴシエーションみたいですね。
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