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『坂角のゆかり』のトレーサビリティがすごい

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愛知県を代表する銘菓である『坂角のゆかり』。ばんかくのゆかりと読みます。誰もが一度くらいは口にしたことがあるのではないでしょうか。三重県を代表する銘菓である赤福と御福餅に不祥事が起きた事から、ゆかりは大丈夫かと心配しているところです。そんな折、お歳暮のカタログがゆかりから届きました。坂角の商品に対する姿勢がすごかったのでこちらで紹介させていただきます。

ゆかりは縁起が良いと言われる海老を使ったおせんべいです。愛知県の南側は海になっており、三河湾という大きな湾があります。三河湾では良質の海老がたくさん取れることから、坂角総本舗だけでなく、いくつもの海老せんべい屋さんがあります。その中でももっとも有名なのが坂角総本舗です。おいしいおせんべいなのですが、「ゆかり」としか表現できません。不思議な味のするおせんべいです。私の結婚式の内祝には坂角のゆかりを送りました。海老は縁起が良いとされますので、内祝いにもちょうど良いです。その時に坂角総本舗のサイトを利用してオンラインから注文をしました。その使い勝手の良さに驚きました。

配達先が登録できる

まず、会員ページの中に自分の配達先を登録しておくことができます。お歳暮やお中元などはだいたい送る相手が決まっていますので、保存しておけると便利です。

工場から直接出荷される

買い物かごに入れて注文を実行すると、工場から直接出荷されることを約束している商品があります。

季節限定商品が充実している

予約期間が2週間ほどしかない限定商品があります。漁期の関係だそうです。メルマガでその情報を仕入れる事ができます。ちなみに今は桜海老の秋漁が迫っていますので、桜海老を使った商品の予約が始まったところです。在庫を冷凍するどころか、早めに申し込まないと売り切れます。

産地情報が充実している

生産者の皆さんの顔写真が入った産地情報のページがあります。また、気になる方はオンライン窓口から詳細な情報を取り寄せることができます。同じページにはせんべいを焼き上げる職人さんの氏名付顔写真も掲載されています。

これぞ、トレーサビリティ

このページで商品に付与されたロット番号を検索すると、海老の産地、水揚げ日、一次焼成日、二次焼成日が表示されます。

よくカタログを送ってくれる

「偽装問題が相次いでいる。私どもも同じ食品を扱う企業として身の引き締まる思いだ」という挨拶が載っていました。心強い言葉です。つい頼んでしまいそうになりました。

ポイントがつく

最近なんにでもポイントがつきますが、ゆかりにまでポイントがつくんですね。

金シャチのペーパークラフトが作れる

サイトに金シャチのペーパークラフトが載っていました。台座にNAGOYAと入っています。名古屋っ子ならつい印刷して作ってしまってもおかしくないでしょう。

いかがだったでしょうか。老舗のお菓子屋さんで、公式サイトからオンライン注文ができることだけでかなり驚きました。インターネットのサイトで受け付けた注文を工場から直接出荷するには、かなりの業務革新が必要です。おそらくは既存店舗向けの商品出荷もシステムで把握しているのではないかと推察されます。また、トレーサビリティのページでロット番号により海老の水揚げ日やせんべいの焼成日が確認できたことから考えるに、ロット管理も進んでいるものと思われます。このような取り組みを見ると、赤福や御福餅も情報システムの力によって信頼を回復させる事ができるのではないかと思います。なにせ賞味期限が60日あるゆかりせんべいですらここまでのシステム投資をしてそれが維持できるのですから、足の速い赤福や御福餅で同等レベルのシステム化を行ったらかなり大きなメリットがあるように思います。

先日は、御福餅が赤福を支援してはどうか?と言っておりましたが、御福餅も不祥事を起こしてしまいました。ここはひとつ、坂角総本舗が赤福と御福餅を支援してあげるというのはどうでしょうか。

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