このように2003年にサービスを開始したネットオークションサイトである淘宝網は大成功をおさめた。そしてついに2005年、阿里巴巴は米国Yahooと事業提携を結ぶことになる。一般的な力関係からすると、米国Yahooが阿里巴巴を買収したと想像しがちだが、実際には米国Yahooが中国Yahooの再生を阿里巴巴に託した、と解釈するのが正解だろう。つまり阿里巴巴がYahooの中国現地法人を傘下に収めたのである。

そもそも中国Yahooの位置付けは非常に微妙であった。もともと外資(もちろん過半数は国内資本なので外資と言えるかどうかは微妙ではあるが)のポータル企業である中国Yahooは、国内系の三大ポータルサイト(新浪、網易、捜狐)に歯が立たず、その成長ドライバーを全く失っている状態であった。その起死回生の策としてとったのが、同じく国内系の検索エンジンサービスである3721の買収である。

3721は、現在は日本ではJ-Wordというブランド名でGMOがそのサービスを展開しているが、当時は今ときめく百度と並ぶ中国を代表する検索エンジンであった。その5年後にほとんど名前を聞くことがなくなった3721と、世界中のネットユーザーが知るところとなった百度と、ここまで大きな差が出てしまうとは、本当に企業の盛衰とは分からない、予期できないものである。

ともかく中国Yahooとしては、国内系の検索エンジンである3721を買収して中国の三大ポータルサイトに追いつくハズであったのだが、実際にはそうはならなかった。中国のネットマーケットでは業界の上位2位、あるいは上位3位が固定されてしまうと、なかなかその上位陣へ食い込むのは難しいという現実があった。

また時代の流れにも微妙な変化が起きていた。1999年~2000年のITバブル時代に上場した3大ポータルサイトを第一世代の中国ネット系企業と呼ぶとするならば、既に時代は検索エンジン、オンラインゲーム、BtoBサイトなどの第二世代のネット系会社が輝きはじめた時代であった。

結局、3721を買収した中国Yahooであったが、トラフィック量、ユーザ数とも予想に届かない状態で、その将来を馬雲に託した、というのが正しい解釈だと思う。

買収、M&A、合併は非常の難しい。特に大型合併は私見では、(もちろん例外はあるが)その大半はうまくいかないと思っている。2つの会社のシナジーというのは、そう簡単に見付かるわけではないが、簡単に見付かるように見えてしまうのである。シナジーの金銭的な価値評価は本当に難しい。

実際に翌年の2006年は、馬雲は中国Yahooの経営に没頭することになる。

以下、続く!

naoyuki toyoda

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豊田直幸

豊田直幸

富士通で宇宙関連SE、オラクルでWeb製品マーケティング、ジャフコで中国ベンチャー投資、サイバードで海外子会社経営を担当。

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