ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

【ITエンジニアセカンドライフ】あくせく働かなくてもなんとかなる

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ITに強いビジネスライターの森川です。

前回のつづきです。

これまで24回にわたって、セカンドライフについて真剣に考えておられるITエンジニアの参考に少しでもなればと、2005年から今までの私の体験談をまとめてまいりました。

改めてまとめ直すと、かなり恥ずかしい12年半でした。しかし自分自身にとってもいい振り返りになったなと思います。

時系列でいえば現在まで来ましたので、このシリーズも今回でいったん終わることにします。

最終回として、独立したら仕事ばかりしなければいけないのかという問いに答えたいと思います。

 

まず基本的な考え方をおさらいしましょう。

ビジネスモデルには、大きく分けてフロー型とストック型の二つの形態があります。いろいろな定義があるようですが、ここではフロー型は1回の取引毎に支払が発生するビジネス、ストック型は継続的に課金するビジネスとしておきましょう。

フロー型は収入が不安定になりがちですが、ストック型は安定しやすい傾向があります。ただしストック型には、大口顧客が離れるととたんにピンチになるというリスクもあります。

たとえば、小売業はフロー型の代表的なものであり、電気・通信などインフラ産業はストック型の代表的なものになります。

では、コンサルタントはどうでしょうか。これは両方のケースがあります。スポット契約だけのコンサルタントはフロー型ですし、顧問契約で毎月一定額の報酬をもらうのであればストック型になります。顧問契約をベースカーゴにして、スポット契約も受け付けるのであれば、ハイブリッド型とでもいえばいいでしょうか。

コンサルタントはおそらくこのハイブリッド型が多いと思います。

ライターはどうでしょうか。私は完全なフロー型です。

収入はとても不安定で、売上が100万円を超える月もあれば、0円の月もあります(ただし、売上は請求書を発行した時点、つまり売掛が発生したタイミングで計上しているので、売上がない月でも全く労働していないわけではありません)。

ライターの場合連載があったとしても、人気があればいつまでも続くというケースは一部のコラムニストを除けばレアケースでしょう。通常は3ヵ月、長くて1年といった期間が設けられます。これはフロー型に入れるべきでしょう。

さらにいえば、雑誌やWeb媒体の連載だけで生計が立つほどの執筆料をもらっているライターもごく一部です。

ですので、私は単価の高い仕事をすることでしのいでいます。具体的には、企業の販促コンテンツ(事例、ホワイトペーパー、コラム記事など)や書籍の制作支援などになります。

 

さて、「フロー型のフリーランスはかなりあくせく働かないと食べていけない」という話をよく聞きます。

では、私はあくせく働いているのでしょうか。

私の典型的な1日のパターンは、こんな感じです。

  • 5時前ぐらい:起床、軽い運動
  • 5時半ぐらいから:日の日記をブログに書き、その他のブログも朝のうちに書く
  • ~10時:庶務的な仕事をする(問い合わせへの返事や帳簿付けなど)
  • 10時:買い物
  • 10時半:帰宅して一仕事
  • 12時~13時:昼休み
  • 13時~16時:執筆

執筆は早ければ15時ぐらいに切り上げますし、遅いときでも18時には終わります。特に急ぎの仕事がないときには、昼から酒を飲んでしまうこともあります。

また妻が会社勤めなので、締め切り前を除けば、土日は原則仕事をせず一緒の時間を過ごすようにしています。

会社員時代よりもぜんぜん働いていないという実感がありましたが、実際にどれぐらい働いているのか把握していませんでした。10年ぐらい時間管理の必要性を感じたことがなかったからです。

そこで今年に入ってから、稼働実績だけ取ることにしました。

その結果、1月の稼働時間は73.35時間、2月は101.17時間でした。かなり少ないと思います。

本業、すなわち推敲時間を含みますが取材等を含まない純粋に書いている時間が、1月は11.00時間、2月は56.8時間でした。この時間で、書籍1冊と2,000字~3,000字の記事を7本ほど書きました。

ただ私の場合、勤務していると考えれば、5時半から16時まで会社にいて、その間1.5時間の休憩を取っているわけですから、9時間勤務ということになります。早い日もありますので、平均すると7.5時間勤務の週休2日と言ったところでしょうか。これは残業なしの会社員とほぼ同じということです。

とはいえ、稼働時間は紛れもなく少ないです。私の年収は同年代の正社員の平均ぐらいですので、それほどあくせく働かなくてもなんとかなると言っていいのではないでしょうか。

フロー型でも単価を上げる努力をすれば、死ぬほど働く必要はないわけです。その点技術的なベースがあり、しかも時代に求められているITエンジニアはかなり有利だと言えます。私よりも稼ぎたければ、もっと仕事を入れればいいだけです。

「仕事を入れればいいだけ、なんて簡単に言うな」というお叱りを受けるかもしれませんが、私が売れない営業パーソンだったことを思い出してください。

それでも仕事は取れますし、今のペース以上の仕事が入ってきたときは、私は無償で他のライターを紹介するようにしています。そのぐらい「ITに強いビジネスライター」にはニーズがあるのです。

 

実は新規ビジネスの立ち上げを考えているのですが、そのパートナーになってくださった人たちも、誰もあくせく働いていません。

1人は、会社員時代に株式投資で資産を形成し、早期退職しました。現在ではエンジェル投資といえる起業家支援をしています。彼は大手SIerにいた時代から余裕のある人でした。今も悠々自適に暮らしていると思われます。

1人は、近所に住む友人のWebコンサルタントで、Webサイトの構築を支援し、運用サービスを提供しています。どちらかというとストック型のビジネスを主体にスポットの構築作業も行うハイブリッド型のビジネスをやっています。午前中にほとんどの仕事を終え、午後は趣味の時間に当てています。彼は、ITエンジニアのあとIT営業になり、複数のIT企業を経験してから独立しました。

1人は、フリーのITエンジニアで、プログラミングからPMまでシステム開発に関わることは何でもこなしています。プロジェクトに参画することが多いので、フロー型のビジネスと言えます。システム開発なのでピークは忙しいのですが、元々生産性の高い優秀なエンジニアなので、大変な様子は見受けられません。彼は、昔私がいた会社に中途入社し、同じ部門で働いた同僚です。私が辞めた数年後に、彼も独立しました。

その他、吉見さん経由で知り合ったフリーの営業コンサルタントも何人かいますが、彼らもあくせく働いている様子はありません。

以上、私の狭い交友関係からの経験則なので、一般化するつもりはありません。中には死ぬ思いで長時間労働をされているフリーランスもいらっしゃることでしょう。

ただ断言できるのは、ビジネスモデルに関係なく、あくせく働かなくてもなんとかなるやり方はあるということです。

【教訓】

  • フリーランスでもあくせく働かずに稼いでいる人はかなりいる。

このシリーズは独立・起業をお薦めするものではありませんが、独立・起業を考えている方には、「せっかく独立・起業するのなら、自由な時間を持てるようにするにはどうしたらいいかを考えましょう」と言わせていただきたく思います(※)。

それを追求している場が、「ITエンジニアのセカンドライフを考える」というFacebookの非公開グループです。

前述した3人も参加しています。また、他にもフリーランスで成功している方や、上海でIT企業を経営している方も参加してます。一人で悩んでおられるのであれば、是非参加して相談なさってください。きっといいアドバイスや情報が得られるでしょう。

※とはいえ、会社経営を始めるのであれば、少なくとも初期は寝る間も惜しんで働く必要があるかと思います。そうでなければお金を借りるのも難しいので。

ということでこのシリーズもいったん終わりにいたします。今後はスポットで関連情報があれば提供していきたいと思います。

最初からずっと読んでくださった方には、心より感謝いたします。参考になる部分が少しでもあったら、それに勝る喜びはありません。


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