開発に責任を持たない営業と、売り上げに責任を持たないエンジニアの対立構造
斎藤さんの今朝のブログ。
「エンジニアと営業はまったく別の精神構造を持たなければならないのか」
一昔前、ITSS(ITスキルスタンダード)というものが持てはやされて、ソフトウェアエンジニアならこういうキャリアパス、ネットワークエンジニアならこんな感じ、といった議論がされていたのを記憶しています。今は、あまり意味のない議論ですよね。ITSSを推進していたIPAのサイトでも、更新は2012年で止まっているようです。
モバイルファーストの現代では、ソフトウェアの開発時にネットワークを意識しないといけないことが多いと思いますし、切っても切れない関係。同様に、システム導入をする立場では、システムとビジネス、事業は切り離せない関係になってきています。その昔のように、システム導入が巨大プロジェクトで、導入に1年、2年かかる、なんて言っていられない時代になってきていますね。
一方で、多くのSIerの営業、あるいはエンジニアの人から聞き漏れてくる愚痴。
「うちのエンジニアは、売り上げに興味がないから困る。納期とか平気で無視してくる」
「うちの営業は、なんでも安請け合いしてきて、無理な要求を押し付けてくる」
これ、どっちもどっちな気がしますね。あなたたちで話し合ってね、的な。
「できない営業」は、沢山の顧客をまわり、時間をかけ説明したことで、「営業した」気持ちになり満足してしまいます。しかし、数字は上がらず、「こんなに営業しているのに売れないのは、うちの製品やサービスが悪いからだ。お客様のレベルが低いからだ。」と自分を正当化します。
営業は顧客の矢面に立っています。だからオレ偉い、になっちゃうと、そうじゃない。もちろん、どんなものでも売れる営業なんて、そうそういない。だからこそ、社内できちんと話し合い、売れるためにどうするか、売るための体制はどうなのか、どういうものであれば納期に間に合うのか、といった細かい打ち合わせが必要だと思うんですよね、でも、実態は「じゃあ、SE連れていくか」みたいな感じで、どこにでもエンジニアを引っ張り出す営業の人がいるようです。もう少しだけ開発とか技術側のことを理解しようとしていれば、そんなにエンジニアを引っ張り回さなくて済むと思うんです。
顧客の言いなりにもなったり、エンジニアの勝手な言い分だけを顧客に伝えるだけなら、そんな営業は要らないし、営業が言うことを何でもかんでも押し返そうとするエンジニアも必要ありませんよね。そうではなく、お互いがチームとしてお客様に貢献する。そうしないと、売り上げなんて上がりっこない。そんなことを感じた月曜日の朝です。