会社が嫌だからNPOに逃げ込もうとしている学生さん、NPOはそんなに甘くないよ、というお話
うーん、僕のブログにしては妙に長いタイトルです。
Facebookでシェアされているブログで、こういうものがありました。
そもそも、社会起業家とはなにか。Wikipediaを見てみると、
社会起業家(しゃかいきぎょうか)は、社会変革(英: Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。
と書かれています。つまり、特にNPOを指しているわけではないのですね。
一方で、このブログにあるように、お金を稼ぐところとは離れた(ように見える)NPOで働きたい、と言い出す学生も少なくありません。
新卒1年目から、いきなり2,000万円を稼ぎだすような自信がない限りは「NPOで働きたい」などと言ってはいけない、と、僕は思います。そうでないかぎり、あなたは「寄付金の無駄遣い」です。 「お金が無いから働いて貢献したい」と、いうのはそんなに甘くないのです。
会社に勤めると、最初の一年くらいは稼げなくても文句を言われないかもしれません。売上に貢献できなくて当たり前、と思ってもらえるかもしれませんが、NPOではそうはいかない、ということが書かれています。
先日、とあるカフェにいたら、隣にいた就活生らしき男女がいました。
「オレ、ヘコヘコしたくないから営業にならない」「あたしもー」
元営業本部長として言わせていただくと、残念、のひと言です。営業という仕事を理解してもらえていないなあ、と。何をもって「ヘコヘコ」と言っているのかはわかりませんが、営業というお仕事の本質は「頭を下げること」ではありませんよね。会社という存在は売上(利益)がなくては成り立たないわけで、営業職のみならず、売上(利益)を確保する仕事が必要になります。そのために、製品を作ったり、あるいは仕入れたり、さらにはサービスを用意するわけですね。
会社員の営業職は、一般的に給与の3倍売り上げろ、と言われます。30万円の給与であれば、約90万円。会社の固定費や維持をするためのお金を考えるとそれくらい必要なのですが、それでもブログに書かれているNPOの寄付金を確保するより、ずっとハードルが低そう。
NPOに(関わったことはないけど)関わりたい、と思っている人たちの多くに、根本的に理解されていないと感じることは、利益の処分の仕方が違うだけで「組織を維持させる」ための原資が必要なことに違いはないんですよね。
僕自身も、NPOに関わりつつ、本業を疎かにしない人間であり続けたいと思います。