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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

カスタマー・エクスペリエンスを考えることの重要さ

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昨日は、日本オラクルさん主催の「カスタマー・エクスペリエンス勉強会」に参加させていただきました。今回は何がすごいって、オラクルさん主催なのに、製品紹介が一切ないという。非常にチャレンジングな取り組みだと感じ、とても面白かったので思わず、フェースブック、ツイッターに書きまくっていました。

 
日本では、大企業を除くとまだまだマーケティングというものを理解していないところもありますよね。セールスとマーケティングの違いが分かっていないケースも見受けられるようです。
 
20130314_75526 カスタマー・エクスペリエンスとか、カタカナが多くなってしまいがちなのは、元々が英語圏でスタートした概念だからですが、日本語的には「顧客経験価値」と訳されるようです。それってなに?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、ものすごくザックリ言ってしまうと「顧客が当社または当社製品、サービスのファンになってくれ、リピートしてくれる仕組みづくり」であり、「顧客を逃がさない仕組みづくり」のことだと理解しました。
 
僕たちも、どこにでもある商品を購入するとき、あるいは類似商品を購入するときに、必ずしも価格だけで選ばない場合があります。アップルストアがそうでしょうし、高級ブランドショップもそうでしょう。価格だけなら家電量販店とか、ディスカウントショップに行けばいいかも知れませんが、それでもお客さんが集まってくる。そこに来ることで、得られる何かがある、ということですよね。
 
参加者からの質問の中に、B2C、B2Bによってカスタマー・エクスペリエンスへの取り組み、重み付けが違うのでは、という質問がありました。僕はこう考えています。
B2C、たとえばコンビニは東京だとどこにでもあって、ともすると100mくらいの間に3店舗くらいあったりします。どこのお店に入るかということは、いろいろなことが考えられますよね。100mの間とはいえ、もっとも近いお店がいいという人、最近鉄人シェフがプロデュースしたお弁当があるから、という情報を持って買いに行く人、デザートで気に入ったものがあるから、ポイントを貯めているから、Suicaだから、あるいはEdy、WAONだから、とか、さらには中で食べられるから、といろいろなことが考えられます。
 
一方でB2Bの場合、IT関連で例えると、出入りのSIerがいて、次のシステムリニューアルも当然うちに発注をもらえると思っていたら、意外なところで他のサービスに切り替えていたり。システムリニューアルだと思っていたら、前のものは捨ててクラウドに切り替えていたり。
これは、決して「クラウドだから」という理由だけではありません。今までは何をするのにもSIerに連絡をしないといけなくて、さらに動きが遅かったから面倒で切り替えた、という事例も実際にあります。もう、「うちはここ(お客さん)のお抱えだし、何でも知ってるから、困ったらうちに行って言ってくるんだよ」という慢心は、もう通じなくなってきている。そう言えるような気もします。
 
「顧客満足度調査」といったものもありますが、そういう数値だけで表現できないものもたくさんありますよね。人は感情の生き物ですし、さらに企業の場合は、相手が一人だけではない。お客さんの出方によって様子を見ているのと、そうではなく真摯に取り組んでいるのとでは、当然お客さんにも伝わるわけです。それを理解していないと、気がついたときには周りにお客さんがいなくなっている、ということも起き得るのですよね。
 
もちろん、そういう分析のためには過去の資産(ビッグデータ)の活用も必要ですし、ITのチカラを活用するほうがいいことがたくさんあります。しかし、今回の勉強会では、「それだけではない」ということを改めて学ばせていただいた次第です。
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あ、懇親会では、ジョエル・ロブションとのコラボのエビスビールをいただきました。ごちそうさまでした!
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