水を飲んでいた人が、水を売り始めると、水が売れなくなる話は多い
「寒いですねえ。」って言ってもしょうがないことが分かっているのに、ついつい口をついて出てきてしまいます。今朝の最低気温は氷点下だったんじゃないですかねえ。
マーケティングの基本的なお話で言われることなのですが、自分自身が渦中にいると忘れがちなことです。当社は、スマートフォンやタブレットを導入しようとされる企業や学校などの法人が、業務的な視点で最高の結果を出せるように、そして社内のITやセキュリティの視点も踏まえた上でスムーズな導入を支援することが本業です。そのために、キッティングセンターやサポートセンターなどを用意してきたのですが、極力自社のITサービスを持たないようにしてきました。自社のサービスがあると、それを前面に押し出してしまい、それありきでお客様に押し付けてしまうことを良しとしていなかったからなんです。
ですが、縁あって今月発表させていただいた「bigtincan hub」は、当社とテラさんが日本総代理店として、普及に一役買わせていただくことになりました。既にKDDIさん(Business App NAVI→パートナーサービス)でお取り扱いいただいており、早速数社に導入いただきました。とてもありがたいことです。
しかし、このように自社でサービスを持ったからといって、それありきで活動しない、ということを自分たちにキツく言い聞かせておかないと、ついつい「これ、どうですか?」みたいな売り込みになってしまいかねません。そのため当社では「これもありますよ。でも、御社はこういう方法のほうがいいのでは?」といった、客観的な提案が出来る体制を整えています。自社サービスありきでは、お客様にとって最高の課題解決になるとは限らないからなんです。
例えば、ペットボトルのミネラルウォーターを自販機で買っている人は、お茶を飲む選択もあったでしょうし、コーヒーを飲む選択もあったかも知れない。時間帯によってはビールやお酒も選択肢に入るかも知れない。あるいは、口の中が乾いただけなので、飴玉を舐めればよかったかも知れない。さらに、飲まずに我慢するという選択もあるわけです。また、自販機でなく喫茶店に入って、コーヒーを注文して隣に出てくる水を飲む、ということも出来るわけです。
ところが、ペットボトルのミネラルウォーターを売る側に回った途端に、「ペットボトルのミネラルウォーター」をどう売るか、だけを考えてしまいがちです。先ほどのような多彩な選択肢があることを忘れてしまい、 「ペットボトルのミネラルウォーター」をどうやって買ってもらうか、ばかりにフォーカスしてしまい、結果的にマーケットが見えなくなってしまう。このスパイラルに入り込むと、なかなか出てこれないわけですね。いろいろなものが見えなくなってしまうのだと思います。
当社の本業は、冒頭に書きましたように、 「スマートフォンやタブレットを導入しようとされる企業や学校などの法人が、業務的な視点で最高の結果を出せるように、そして社内のITやセキュリティの視点も踏まえた上でスムーズな導入を支援すること」です。それを忘れないようにしないと、と強く再認識している今日この頃です。さて、今日もいきますか!