8時59分に出社していると、時間売りから離れられない
僕が以前働いていた会社の、(今でも)尊敬している上司から言われた言葉です。
当時僕は、9時始業の会社にいたのですが(今もそうですけど)、8時45分に出社するのが日常でした。ある日、出社した僕に上司がひとこと。
「大木、お前はいつまで時間売りを続けるつもりなんだ?」
最初は意味が分からなかったのですが、その後いろいろと話をしてくれました。
給与所得者には、残業手当がつく人、ある程度の残業手当が込みの人以外に、残業手当がつかない管理職、研究者のように成果に期待した報酬をもらう人などがいること。
今の僕は、2番目の「ある程度の残業手当が込み」であること。管理職になると、結果に責任を持つようになること、管理職になると夜の付き合いも増えること、朝早く出社して早く終わらせる人間になってほしいこと、当社の取締役は決して「重役出勤(朝遅く出社することを悪く言う言葉)」はしないこと、そして僕に期待してくれていることなど。
8時45分に出社すれば、間違いなく9時には仕事を開始できます。僕の上司は、「それでいいと思っているならそこ止まりだよ」ということを伝えてくれたわけです。そんなことを言われないと分からない自分が情けなくなったことを覚えています。
当時のオフィスはタイムカードがあったのですが、一方で8時58分からタイムレコーダーの前に行列ができていました。後ろのほうにいる社員と声掛けあって、二人分を打刻する人がいたり。その姿を見ながら、僕はそこではない、と言われてることを再認識したんですよね。
翌日から8時15分に出社するようになり、翌週には8時に出社するようにしました。早く着いて、一人でできる仕事をどんどん進めておくと、おもしろい仕事を依頼されるようにもなりました。今までは目の前の仕事で精一杯だったので、誰も声をかけてくれなかったんですよね。余裕ができるようになると、任せてもらえるようになり。「ああ、みんな(先輩や上司たち)見ていたんだな」と感じたことを覚えています。
9時始業の会社に、ギリギリに滑り込んでいるうちは、そのレベルから脱却できないんだろうな、と今でもそう思ったり。他人のことはどうでもいいのですが、自分はどうあるべきか、を考えないとな、と思ったことを思い出した週末です。