昨日、TechCrunchに書かれた記事が、Facebookで話題になっていました。

 記事を読んでいただくとお分かりになると思いますが、TechCrunchの批判記事ではありません。ま、編集長の西田さんが書かれている記事ですので、批判であるはずもないのですが。
 ここに書かれているのは、米国、特にシリコンバレーでのスタートアップに対する投資や買収劇を見て、あるいは聞いて、日本でそれを期待して起業するのは違うよ、という警鐘ですね。

 僕のような起業家の新米が偉そうにいうことではありませんが、僕のところにもときどき起業を考えている方がご相談にお見えになります。自分自身は誰に相談することもなくスタートさせたのですが、相談相手がいることはいいことだと思うので、できるだけ時間をとってお話を聞くことにしています。

 そこで感じるのは、年代によって立ち上げる事業、そして会社に対する意識が違うことなんです。って、こう書くと「若い人ほど甘いことを言っている」と書くように思われるかも知れませんが、そうではありません。むしろ、その逆です。
 あくまで僕のところに来られる方、という限定ですが、学生、あるいは20代半ばくらいまでの人が相談に来られる場合、やりたいことがあって起業したい、ということがほとんど。こういうサービスを世の中に出したい、こういうことをやりたい、というお話で、すごくワクワクします。
 そして、ほとんどが半年間、あるいは一年間の自分たちの収入をどうしていくか、ということも考えています。マンションオフィスにしてしまい、そこに住むことで家賃を浮かせたり、持ち寄ったお金をどうするか考えたりしていて、しばらくは大丈夫そうだな、という安心感があるんですね。

20120107_92524  一方で、30代、40代で相談に来られる方の多くが、やりたいことは後付けで、会社を作ることが先に来ていることが多いんです。で、何年で売り払って、というようなお話をされます。そして何より驚くのは、その事業は最初からうまくいくことが前提になっていることが多いことです。最初からうまくいく、最初からお客さんが付くので、事業計画書を見せてもらっても、初月から売上が立っています。「いま既にお客さん候補がいるから」というのがその理由なんですが・・・。
 事業内容によるでしょうが、最初は餞別代わりに、というものがあるかも知れませんが、それが何ヶ月も続くとは限りませんよね。そこを意識していない人が多いことに驚かされます。

 どんな事業も、最初から「これなら絶対」というものは、なかなか見つからないものだと思うのですが、それを理解していない人にはアドバイスしても馬耳東風です。聞く耳を持たないのですね。思い込みが強いので、せっかく一生懸命アドバイスしても、「あぁ、そうですか」くらいの反応になってしまい、気まずい思いをしたこともあります。

 いい話で盛り上がりたい気持ちはわかりますが、反対の意見にも耳を貸す努力をしないことには、よりよい事業にはなりにくいと思います。もちろん、世の中に「絶対」はありませんから、あえてリスクを負ってトライしてみる、というのはあると思います。しかし、そのためには、何事も鵜呑みにせず、幅広い意見を聞き、さらに半年間、一年間くらいのメシの種くらいは確保しておくべきですね。

 こんな偉そうなことを言っている僕自身が、これらを完璧にできているというわけではありません。むしろ四苦八苦して分かってきたこともたくさんあります。この記事を読んで、さらに肝に銘じておきたいことだと感じた今日この頃です。

kumaboo

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大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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