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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

現代版桃太郎はベンチャー経営者になれるだろうか

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 自分自身ベンチャー経営者としてのあるべき姿をいつも模索しており、東奔西走していると言えば聞こえがいいですが、実は右往左往しているだけかも知れない大木です。
 今日はちょっと松井さんのシンデレラに触発され、僕は日本の物語を選んでみました。桃太郎です。
 桃太郎の話は、神田昌典さんの「成功者の告白」という本にも書かれているのですが、ベンチャー経営者に喩えられることが多いのですよね。「方向性を示す」ということなんですが、桃太郎は「鬼ヶ島に鬼退治に行く!」と言い出します。それは「方向性を示した」ということなんだそうですね。「アイデアを出した」ということのようです。桃太郎が鬼ヶ島に行くと言いだしため、実務者である犬がそれを実現まで導く。犬は主人である桃太郎に忠誠を尽くします。
 さらに智慧の象徴である猿が加わります。猿は鬼退治から撤退までの仕組みを作り出します。現代で言うところのシステム化。で、キジは神田さんの本では道化者と書かれていますが、愛と勇気の象徴。愛で、さらに勇気をもってメンバーをまとめ上げる役割を担います。

 さて、現代に置き換えてみるとどうでしょうか。そもそもリーダーは桃太郎が適任なんでしょうか。桃太郎は、「鬼ヶ島に鬼退治に行く!」と言い出したものの、それはどこにあるのかを示していませんし(おとぎ話の中ではなかったような)、船で行くのか、何で行くのかも示していません。さらに、そこには金銀財宝があるということを知っていたのでしょうか。また、それらを持って帰る方法は?

 リーダーが全てを示すことはできないでしょうし、全ての方法に精通しているはずもありません。だからメンバーを募るわけですが、桃太郎の場合はきびだんごという食べ物でみんなを引っ張ったんですよね。だから、食べ物がなくなるといなくなるかも知れない。

 鬼ヶ島に行くという目標が、メンバーにどれだけ魅力的に映ったのでしょうか。ここが重要ですね。魅力的なら、多少険しい道のりでも、メンバーはがんばるでしょう。頑張って、さらに自分の智慧や経験で培った能力を発揮してくれます。リーダーは、メンバーが発揮してくれる能力を支援する側に回る。能力を発揮するうえで障害となるものがあれば、それを全力で取り除く。ん?これ、どこかで聞いたことがあるような。

 うーん、そう考えると桃太郎と言うよりは、ワンピースの主役、ルフィのほうが現代のイメージに近い気がしてきました。ルフィは、航海士がほしい、料理人がほしい、と必要なメンバーを考え、理想に近いメンバーを確保していきます。そのプロセスでメンバーが困っていること、障害になることを次々と排除し、解決していきます。ま、マンガですけど。

 ルフィならベンチャー経営者に向いているかもしれませんね。昔々と現代では、求められているリーダー像が違うのかも知れません。カリスマ経営者もいいですが、なかなかそういう人物が現れる可能性は少ない。さらに、スティーブ・ジョブスのような性格をしている人が、周りに認められるとも限りません。環境もありますよね。むしろルフィのように、熱い性格だけで突っ走る人間のほうが必要なのかも知れません。あ、スティーブ・ジョブスの諦めない性格は必要でしょうね。これは桃太郎にも通じるのかな。

 なんだか整理がつきませんが、自分の会社をこうやって比喩してみるとって、結構おもしろいものです。自分を客観視しやすいですし。これからの時代を考えることをやめてはいけない、自社の将来を考え続けなくてはならない。そう感じている週末です。

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