愛着あるものを捨てる勇気が必要だということか
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Appleのスティーブ・ジョブズ氏とナイキのマーク・パーカー氏(CEO)の対談で、興味深く感じたのでご紹介しておきます。興味深いというと、むしろ言葉が軽すぎるかも知れません。我々経営者は、これをやらなくてはならない、と背筋を伸ばして読む思いがした、というほうが適切な表現だと思います。
フォーブスの記事で、こういうものがありました。「何かアドバイスがあるか」と尋ねるマーク・パーカー氏に対し、スティーブ・ジョブズ氏がこう答えました。
“Nike makes some of the best products in the world. Products that you lust after. But you also make a lot of crap. Just get rid of the crappy stuff and focus on the good stuff.”
ナイキには、世界的最高峰の製品がいくつかある。一方で、あまりよくない製品も作っている。あまりよくない製品を捨てて良い製品に集中するべきだ。
我々ビジネスパーソンは、本来はこれくらいのことは理解しているつもりです。新しい製品、新しいサービスを始めるときには、必要とされないならすぐに撤退しよう、と考えているはずです。しかしそれが少しは売れ、あるいは利用され、それが一年、二年と経つうちに、自分たちの製品やサービスは社会に必要とされている、と思い込んでしまうことがあります。それは既に、時代遅れになっていても。
Appleの製品は、時として先を行きすぎていると感じることさえあります。もちろん、全ての製品が爆発的に売れているわけではありません。先代のAppleTVのように。
しかし、ダメなものに対する判断は早く、売れているものに集中し始める判断も早いのが特徴ですね。決してアップル信者とかいったことではなく。
昨日、一昨日のセミナーで、高級ブランドの社長、そしてウエディング業界の方々とお話しをさせていただく機会があり、とても刺激的な言葉もいただきました。どんな企業にも、その企業のブランドがあり、そして経営者や社員のプライドがある。ブランドとプライドはとても重要なものであるのだけれど、ともするとプライドが邪魔をして、企業ブランドに傷をつけてしまいかねないのかな、と。
ひと言では言い表せないのですし、きちんと咀嚼できたわけではないのですが、人やペットとは違い、愛着を持つべきは製品やサービスではなく、実は自社なのではないか、と感じた週末です。ご意見あれば、ぜひお聞かせください。
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