「見える化」という言葉が使われるようになって久しいですが、元々「可視化」という言葉があるので、別段新しいことではないんですよね。しかし、わざわざ見える化という言葉を使うようになったのは、なぜなんでしょうか。これは僕の勝手な推測なのですが、パソコンが普及し、各自の作業進捗がパソコンの中に隠れてしまったからではないかな、と考えています。

 特にシステム開発を行なっている企業の場合、各人のプログラムは個人のパソコンの中にあります。だから、進捗は本人にしか分からない。

「いま、どれくらい進んでる?」
「50%くらいっすかね」

 さて、この進捗を信じるべきか、信じざるべきか。信じないというと信頼、信用とごちゃ混ぜになってしまうので、鵜呑みにすべきか否か、と表現する方がよいでしょうね。鵜呑みにしてしまって、後で全然違う状態だった、なんて経験は皆さんもあるかも知れませんね。僕は・・・あります。鵜呑みにしてしまって、結構痛い目にあった経験があります。

 さて、では他人のことはそうやって「見える化しないと」と思うわけですが、自分の仕事はどうでしょうか?何をどうやって、どれくらい進んでいて、後どれくらい。だから今日の作業はこれくらい進むべきであって、というところです。

 プロジェクトマネージャーという職務についていると、他人のことをマネジメントすることは当たり前なのですが、ついつい自分の仕事について「見える化」することを忘れてしまいがちです。いや、忘れるというよりは、ブラックボックス化しているのかも知れません。

 ブラックボックス化してしまうと、プロジェクト全体が見えない。これくらいは誰でも分かっていることなのに、ついつい自分には甘くなってしまうものです。自分だけをブラックボックス化しない。肝に銘じなくては。

kumaboo

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コメント
ike 2010/08/25 08:52

以前の会社では上司の作業報告を週報として提出していましたが、ある時期に上司(部長)から「週報は問題点だけを報告してくれ」という指示が部内に出ました。
(それ以前は、関わっているプロジェクトの大まかな作業内容・進捗状況・問題点・今後の計画などを報告)

問題点、特に上司として何らかの対応が必要になりそうな事柄を優先して報告するのはわかりますが、部長・課長が各担当者に随行して客先を訪問することは滅多に無いですし、職務が問題無く進行している場合は担当者の職務の状況を如何にして把握するつもりなのだろうかと、甚だ疑問に感じたのも事実です。
「成果主義」と唱えながら如何にして成果を把握するのだろうかと、成果を自己申告させるにしても自己申告内容の妥当性が如何にして担保できるのか、非常に疑問を感じてしまったものでした。

ooki 2010/08/26 06:22

>ikeさん
コメントありがとうございます。
成果主義は、まだ成功していない企業も多くあるようです。
というよりも、成果の定義を明確にしていないんですよね。売上と利益だけを成果、と割り切れず、勤怠を盛り込み、さらに効率といったものも入れてしまう。でも、効率の定義をしていないため、そこは目分量になってしまうわけです。
また、売上と利益だけにして、ギスギスしてしまうことを恐れる経営者も少なくありませんね。
なかなかベストは難しいですが、それを上手に運営している企業、経営者がいることを忘れてはいけないな、と思っています。

ike 2010/08/27 16:15

>ookiさん
返信、ありがとうございます。
先の私のコメントは多少逸れかけましたようで申し訳ありません。
「見える化」は当然必要(上司に対して、それから同僚に対して)なのですが、上司側の立場で言えば大勢の部下の仕事を詳しく把握するのは困難でしょうから、そこで先の私のコメントのように「週報は問題点だけを報告してくれ」という指示に繋がるモノと思います。
仕事上の問題点については優先的に「見える化」するとしても、仕事の成果もしくは順調に予定通り進行している仕事については報告されない(報告するとしても相対的には僅かになります)ことになります。
結果的に問題点・トラブルばかりが「見える化」して、良い成果を「見えない化」してしまう状況というのは不安ですね。

ooki 2010/08/27 18:23

>ikeさん
僕の考え方は、報告するなら全部ほしい、です。
問題点だけ、というと、その人が問題点と思っていることだけになってしまいます。
部下を信じないという話ではなく、隠れた問題点はないのか、までを確認することが、業務マネジメントの役割だと思っています。たとえば、作業の遅れはないけれど、部下は過労で疲弊している、とか。


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大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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